カニと言えば、「赤」というイメージが強いですよね。
でも砂浜で見かけるカニなんかは、赤というよりも茶色や黒みがかったものが多い気がします。
そして、中には色が白という珍しいカニも。
それが「ミナミスナガニ」。
白い小さいカニなんて見たことがないけど、本当にそんなカニがいるの?いるとしたらどこに?
今回はそんなミナミスナガニに関する疑問について調べていきたいと思います。
ミナミスナガニってどんなカニ?
ミナミスナガニは西日本(相模湾以南)から西太平洋、インド洋の砂浜に生息しているカニです。
ミナミスナガニの甲幅は約3cmほどと小型で、体全体が白っぽく、片方のハサミが少しだけ大きいのが特徴。
昼間はあまり真っ白という感じではなく薄い褐色に見えますが、夜になるとかなり白く見えます。
この白い体は昼間の乾いた砂浜においては、絶好の保護色になるのです。
確かに、白い砂浜に白い体だとものすごく見つけにくいですよね。
もしかしたらミナミスナガニが視界に入っていても、まったく気づかなかったという人もいるかもしれません。
砂浜に穴を掘って生活しているのですが、とても警戒心が強く近づくとすぐに巣穴の中に逃げてしまいます。
実はスナガニは英語で「ゴーストクラブ」と呼ばれており、その呼び名は素早くいなくなることに由来しているとも言われています。
ですのでミナミスナガニを捕まえようと思ったら、相当な瞬発力が必要になります。
先に巣穴を塞いでから捕まえようとしても、その逃げ足ですぐにいなくなってしまうようなので、瞬発力に加えて足の速さも大切。
どうやっても追いつけないという人は、穴に乾いた砂を入れ、スコップなどで掘りおこすのが一番確実だとか。
しかし巣穴はかなり深いものもあるので、そういう場合は諦めるしかありません。
基本的には夜行性なので、昼間は見かける機会自体が少ないかもしれません。
夜になると巣穴から出てきて、海藻類や魚の死骸などを食べたりと、活発的に動きます。
確実にお目にかかりたいならば、夜暗くなってきてからを狙うと良いですね。
ミナミスナガニは食べられる?
次に気になるのは「食べられるのかどうか」という点です。
当然ながら市場には出回っていませんが、自分で捕まえて食べることは可能なのでしょうか。
実はスナガニは逃げ足が速いことから、食べると足が速くなると言われています。
毒もないですし、素揚げにして塩を振って食べるとそれなりに美味しいようです。
ということは、当然その仲間であるミナミスナガニも食べられるとは思いますが、まだチャレンジをしたことがあるという人の話は聞いたことがありません。
誰か、実際に食べてみて味の感想を聞かせてほしいものです。
私ももし見つけたら、素揚げにして食べてみたいと思います!
ミナミスナガニは飼育可能?
白い体につぶらな瞳、とてもかわいいミナミスナガニですが、飼育することは可能なのでしょうか。
もし可能ならば、捕まえてきて飼ってみたいと思いませんか?
しかし飼育することは不可能ではないですが、かなり難易度は高いそうです。
まずミナミスナガニは穴を掘って生活するので、底の深い水槽が必要になります。
そして大量の砂と海水。
もちろん海水は汚れたら入れ替える必要があるので、その都度綺麗な海水を手に入れなければなりません。(または人工海水)
餌の食べ残しは穴の中に入ってしまうとそのまま腐るので、こまめに取り除いてあげる必要があります。
このように、こんな小さなミナミスナガニ一匹を飼うのにも、結構な手間がかかるのです。
カニなどの海辺の生物の飼育に慣れている人は大丈夫かと思いますが、初めてカニを飼うような素人の場合はやめておいたほうが良いでしょう。
ミナミスナガイ まとめ
みなさんもミナミスナガニの生息地の砂浜で小さな穴を見つけたら、観察してみてはどうでしょうか。
運が良ければ捕まえられるかもしれません。
そして食べて足が速くなる!…かどうかはわかりませんが。
走り去るのを眺めるだけでも十分楽しいカニなのではないかなと思います。
(ライター名 もんぷち)
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