パクチーは食品でカメムシは昆虫です。

カメムシの出す物質の臭いがパクチーの臭いと似ているそうです。なぜでしょうか。

パクチーについて

日本でパクチーがブームのようになり定着しエスカレートしたのは数年前だった気がします。

それまではタイ料理などの上に載っている緑の葉でした。「パクチー」はタイ語です。

和名では「こえんどろ」と呼ばれていたようで、わりと古くから日本にも入ってきていたようです。

英語ではcoriander(コリアンダー)です。チャイニーズ・パセリなどと呼ばれたりします。

 

パクチーはセリ科コエンドロ属のコリアンダーという植物の地上部分の事です。

コリアンダーは地中海地方が原産とされ、起源が古い香辛料のひとつです。

 

東南アジアをはじめ、中国、メキシコなどでも料理に使用されるパクチーは基本的に添え物です。

どっさり食べる人はパクチーのみを食べたい人のようですが、好きな人はとても好きみたいですね。

 

コリアンダー・シードというコリアンダー(英語)の種子はパクチー(タイ語)の種子の事ですが、そのまま噛むと口臭予防になるともいわれます。

しかし、カレーにガラムマサラなどと共に用いられるコリアンダー・シードの香りはパクチーとは似ていません。

パクチーは葉や茎の部分と種子では臭いが違いますが、パクチーも乾燥させるとそれほど臭いはしません。

カメムシの出す物質

とにかく種類が多いカメムシ類ですが、カメムシの幼虫及び成虫が現れるのは春先から夏にかけて多いようです。

カメムシの体には臭腺があり、臭腺開口部から臭いのある分泌物を出します。

この色は、種によって違うようでもありますが、衣類などにつくシミは茶系を帯びたオレンジ色である事が多いようです。

カメムシの分泌物には様々な物質が含まれるとされ、中でもトランス2ヘキセナールというものは強い青臭い臭い、と人間の鼻が感じる臭いのようです。

 

ヘキセナールは酸化したオイルのような臭い、と思う人もいるかもしれません。

特徴は強い臭いである事だそうです。

臭いを感じるメカニズム

人間は鼻の奥にある繊毛で空気中の臭いのあるものをキャッチし、脳内の大脳辺縁系でそれを認識するとされます。

人間にわかる臭いは1万種くらいともいわれます。空気中に蒸発しやすい物質の臭いはある程度感知できますが、動物や昆虫はもっと微細な臭覚をもつ場合が多いです。

 

ライオンが遠くの獲物を感知し、何も見えないうちから走り出すようなものです。

人間の五感の中では最もメカニズムが分かりにくく、本能的で微妙なものです。

 

人間にわかる臭いは空気中に蒸発する揮発性の臭いです。

また、同じ臭いに慣れやすい傾向があると考えられています。

パクチーの臭い

パクチーの青い草の部分にはデカナール(decenal)という物質が含まれているそうです。

この臭いは強い臭いだとされます。

 

パクチーを食べる時は一般的に生の葉を歯で噛んで咀嚼すると思いますが、咀嚼時にパクチー臭がより強くなったりします。

パクチーに含まれる臭いの成分が噛む事により空気中に漂い始め、臭いがより強く感じられる事が考えられます。

 

パクチーの臭い成分には他にも、リナロールやヘキサナールなども含まれているそうです。

カメムシの分泌物に含まれるものと似ているらしいのはヘキサナールのようです。

 

このヘキサナールという物質は様々な食物に含まれており、シナモンや杏の種子にもあるといわれます。

これらの多くの物質の化合の仕方によって合わさった臭いが人間がわかるくらい強いパクチーの臭いのようです。

パクチーとカメムシの臭い

パクチーの臭いとカメムシの出す物質の臭いには共通する物質があるようです。

また、共通すると思われる臭いの物質は強烈なものである事も共通するようです。

パクチーが嫌いな場合は食べなければ良いですが、カメムシは生物なので、呼んでいないのに向こうからやってきてしまう点がパクチーとカメムシの相違点ともいえます。

(ライター:おもち)