夏野菜の代表格と言えば、「トマト」を挙げる人が多いでしょう。
さんさんと降り注ぐ太陽の光と熱をたっぷり浴びて、真っ赤に色付く美味しそうなトマト…。
しかし…じつはトマトの旬は夏ではないことを知っていましたか?
今回は本当に美味しい旬の季節について、詳しく見ていきましょう。
今までの常識が、覆されてしまうかもしれませんよ。
トマトの旬の季節っていつ頃?
近年ではハウス栽培などで一年中手に入れることのできるトマトですが、やはり旬の季節と言えば夏でしょう!
…と、思っている人は多いはずです。
実際に家庭菜園で育てるにしても、夏前に苗を植えて7~8月頃にたくさん収穫できます。
この頃にはスーパーでも破格の値段でまとめ売りされていたりもしますよね。
確かに、暑い夏には株も実も良く育ち、じつにたくさんのトマトを収穫することができます。
収穫量という面では、やはり6月~8月頃にかけてが旬の季節ということで間違いはないのですが…。
「最も美味しく食べられる」という意味の「旬」は、また別にあります。
元々、トマトは高温多湿な気候に適した植物ではなく、涼しいけれど日差しは強い…そんな気候を好む植物なのです。
日本の夏は高温多湿ですから、株や実は良く育っても、それがイコールで美味しさにつながるわけではない、ということですね。
こういった性質から、じつは最も美味しく食べられる季節というのは「春」や「秋」なんです。
夏のトマトは急激に大きくなるため、味は薄く酸味が強い傾向があります。
(それはそれで、サッパリしていて瑞々しいというメリットでもあるのですが。)
それに対して春や秋の季節では、比較的ゆっくりと実が熟していくため、味も甘みも濃くなるのです。
一概に甘い=美味しいとは言い切れませんが、甘く味が濃いものを好む傾向が強い現在では、やはり夏よりも春秋のトマトの方が美味しいと言えるのではないでしょうか。
美味しいトマトの選び方
旬の季節でもそうでない季節でも、より美味しいトマトを見分けるために、そのポイントを知っておいて損はありません。
一年中、トマトを購入する機会は多いですから、しっかりと覚えておきましょう。
そうすれば、旬以外でも美味しいトマトを食べることができますよ!
色をチェック
全体が均一に赤いものを選びましょう。
まだら模様になっているものなどは、水っぽく味が薄いことがあります。
色が濃いほど美味しいと思っている人もいるかもしれませんが、適切に熟してさえいれば、味と色はあまり関係がありません。
(熟しきっていないせいで色が薄いものは、当然味も落ちますが…。そこは「硬さ」で、熟しているのかいないのかを確認しましょう。)
ヘタをチェック
ヘタが付いているものの場合は、ヘタが瑞々しく、先がツンと尖っているかどうかを見てみましょう。
トマトは実よりもヘタのほうが先にしなびていきますから、ヘタの先が丸まっていたり、乾燥していたりするものは、あまり鮮度が良くありません。
パック詰めされたものなど、一個ずつを手に取ることができない場合には、ヘタが重要な見分けポイントになります。
お尻をチェック
トマトのお尻部分をよく見ると、白い線が星のように放射状に伸びているのが分かります。
この星マークがより綺麗に出ているもののほうが、甘みが強くて美味しいと言われています。
重さをチェック
ずっしりと重いものの方が、より実が詰まっていて味も濃いトマトです。
また、店頭で確認することはできませんが、水に入れた時に沈むものの方が甘く美味しいと言われています。
トマトの旬についてのまとめ
トマトは当たり前のように夏が旬だと思われがちですが、じつは本当に美味しいのは春や秋。
値段的には夏よりも高くなることが多いですが、ぜひ味の違いを確かめてみてください。
(ライター もんぷち)