水中をふよふよと漂う「クラゲ」。

透きとおった透明な体に触手という姿をしていますが、じつは「目」があるということを知っていましたか?

 

一見すると、目のようなものは見当たらないような?

だとしたら一体、目はどこにあるのでしょうか。

今回はそんなクラゲの目について、まとめていきたいと思います!

クラゲの目ってどこにある?

大抵の生き物は「目」は顔についており、「ああ、ここが目だな」というのは一目瞭然です。

しかし、クラゲの場合はどうでしょうか?

どう見ても、目のようなものは見当たりません。

じつは目なんてないんじゃないか…と思われがちですが、ある部分にしっかりと存在しているんです!

 

それが、「傘の縁」の部分。

傘の縁に、黒い点状の目がぐるりと一周付いているのです。

目の数は種類によって異なりますが、最も身近な種である「ミズクラゲ」では16個。

 

下から観察することなんてほとんどないので(海で見かけても上からしか見えませんし)、そんなところに目があるなんて気づきませんでしたね。

目が16個もあれば、さぞかし周りが良く見えるのだろう!と思うかもしれませんが、じつは視力はほとんどありません。

 

かろうじて光を感じて明暗を見分けられる程度だそうです。

だったら、16個も必要か?というツッコミを入れたくなりますが…。

もしすべてが人間のように見えていたら、死角なしどころか違う世界まで見えそうですね。

目が発達したクラゲもいる!

先ほど、クラゲの目は明暗を感じ取れる程度の視力しかないと書きました。

しかし、中にはとても視力の発達した種類もいるのです!

 

それが「箱虫綱」と呼ばれる、傘が箱状になっている種類の仲間たち。

アンドンクラゲ、ハブクラゲ、ヒクラゲなどです。

彼らは傘の中心部分に「ロパリウム」と呼ばれる高性能な目を持っています。

 

この目には人間と同じように角膜、レンズ、ガラス体腔、網膜まで備わっており、他のクラゲとは比べ物にならないほど発達しています。

また、人間で言う「瞼」のような部分も存在しており、しかも数は合計24個。

次こそ「人間よりも様々なものが見えているのでは!?」という期待が湧いてきますが、残念ながら…ロパリウムをもってしても、明暗を感じ分けられる程度の視力しかないのだとか…。

(他のクラゲよりは、その精度は良いようですが。)

 

ただしこれは目の性能云々よりも、高度な映像を処理する「脳」を持っていないことに関係するのではないかと思います。

もしも彼らに高度な脳が備わっていたら、いったいどんな世界が見えていたのか気になりますね。

クラゲの目は何のためにあるの?

光の明暗くらいしか見分けられないクラゲの目。

一見まったく役立っていないように思えますが、一体何のために目があるのか不思議ですよね。

人間からすると、明暗が分かるくらいでは役に立たないだろうと思われるかもしれません。

しかしクラゲには光に集まる習性があります。

 

クラゲの中には特殊な「藻」と共生関係にあるものがおり、当然「藻」が光合成をするためには光が必要。

また逆に、光の強い日中は深い場所に潜り、日が陰ってきてから活動を開始するものもいます。

このように、たかが明暗といっても、クラゲにとって目はとても重要な働きをしているのです。

クラゲの目についてのまとめ

普通に生活していると、そもそもあまりクラゲに遭遇することも少ないですよね。

従って、目があるかどうか確認する機会もほとんどありません。

 

最近では水族館でクラゲブームが起きており、様々な角度からいろんな種類のクラゲを観察することができるようになりました。

一度そういった場所に出向いて見て、目の位置や数などを確認してみるのも面白いかもしれませんね。

(ライター もんぷち)