大顎の鋸のようなギザギザがかっこいいノコギリクワガタ。
クワガタムシ科の中でも大きな属に分類され、世界中に100種類はいると言われています。
今回はそんなノコギリクワガタの種類について詳しくお話ししていきます。
アマミノコギリクワガタ
アマミノコギリクワガタは日本のノコギリクワガタ属の中の最大種。
体調はオスが23~80㎜、メスが24~40㎜で、飼育下最大種はオスの80.3㎜デス。
奄美群島、トカラ列島、沖縄諸島に分布していますが、奄美大島のものが特に大型で、大顎が長く、太くて立派です。
黒い体色が印象的な最大の亜種デス。
ノコギリクワガタとの違いは頭楯が二股になっていることと、上翅の光沢が強いこと。
第一内歯と第二内歯が接近していることが多い事、
体色は黒色やオレンジ、赤褐色などがいて、メスの体色はオスに似たような傾向が見られます。
オスは体格によって大顎の形状が全く違っていて、大型個体では大きく屈曲しますが、中型個体では先に向かって強い湾曲となり、小型個体では短く直線的なノコギリ状になります。ノコギリクワガタと似ていますが、亜種によっては大型個体でも屈曲せずに緩やかな湾曲を見せるものもいます。
特徴的な生態としてはオスが脱出口を掘ることが出来ないので、幼虫のうちに朽木の外に出て、土中に蛹室を作ること。
トカラノコギリクワガタ
トカラノコギリクワガタはトカラ列島に分布しているノコギリクワガタです。
体長はオスが27~74㎜、メスが27~35㎜で黄褐色のとても美しいノコギリクワガタです。
体色は個体差があり、暗褐色の者もいます。
島によって色や大きさなどが多少違ってきて、中ノ島産のものが特に大型になることで知られてます。
ブリードすると簡単に大型の個体が出来ることで有名です。
ハチジョウノコギリクワガタ
ハチジョウノコギリクワガタは日本のノコギリクワガタ属の中の最小種で、近年生息数が減少しているクワガタで八丈島のみに分布しています。
体長はオスが27~60mm、メスは23~35㎜デス。
ノコギリクワガタと比べると大顎や頭部が発達しておらず、体も小さく、大型の個体であってもノコギリクワガタ特有の大顎の屈曲は見られません。
脚と符節蛾短いのも特徴で、体色は黒色で光沢が強いです。
現在、環境省によって絶滅危惧種に指定されています。
ギラファノコギリクワガタ
ギラファノコギリクワガタはキバナノコギリクワガタと呼ばれることもあるネパール、ブータン、ミャンマーなどの熱帯雨林に分布する人気のあるノコギリクワガタです。
日本でも輸入され、飼育されて繁殖個体が存在しています。
体長はオスが35~118㎜、メスが31~56㎜です。飼育下ではオスの最大が118.3㎜mにもなり、世界で最長のクワガタムシと言われています。
体型は全体的に扁平で、体色は黒色ですが亜種によって光沢が強いものや弱いものに分かれます。
上翅がやや褐色の個体もいて、大顎の比率が特に長く、大顎は基部が太く盛り上がっていて、波打つように曲がっています。
先端は二股に分かれますが、亜種によっては大顎が直線的なものや細いものもいます。
内歯と言われる大顎内側のギザギザは左右対称ではなく、ややずれているのも特徴です。
メスは広葉樹の朽ち木に産卵し、幼虫は朽木の中で朽木を食べて育ちます。
オスよりもメスの方が成虫期間が短く、孵化してから7~14ヵ月で蛹になります。
蛹になってから1か月ほどで羽化して成虫になり、成虫の寿命は5~15か月ほどとされています。
ギラファの名前は英語でキリンを意味するgiraffaからきており、文字通り大顎の長さがまるでキリンのようなところから名づけられたと言われています。
特にフローレス島に生息するケイスケという亜種は最も成長する種類と言われ、通販などではオスメスペアで5000円ほどで販売され、飼育を楽しむことが出来ます。
(ライター ナオ)