まるでフワフワの雪のような「ゆきんこ虫」。

「雪の妖精」と呼ばれていたりもしますね。

 

もちろんゆきんこ虫というのは正式名称ではありません。

それでは一体、ゆきんこ虫の正体は何という虫なのでしょうか?

今回はそんなゆきんこ虫の正体や、生態について迫っていきたいと思います!

ゆきんこ虫の正体は?

ゆきんこ虫は、じつはみなさんもよく知るある虫の仲間なんです。

なんだと思いますか?

 

その答えは…「アブラムシ!」

私の知ってるアブラムシと全然違う…。

 

アブラムシの中でも、あの特徴的なフワフワがあるものを総称してゆきんこ虫と呼ぶのです。

具体的な種類で言えば、「トドノネオオワタムシ」や「リンゴワタムシ」などですね。

 

春から秋にかけては翅のない状態で単為生殖を行い増殖、その後その中から翅が生えるものが現れ、繁殖行動を行い冬を迎えるのです。

生息地は主に北海道や東北地方。

たまに東京でも目撃されることがあるようですが、詳細についてはわかっていません。

 

北海道在住の方にはなじみ深い虫かもしれませんが、それ以外では「初めて見た(聞いた)」という人も多いかもしれませんね。

私も、写真でしか見たことがありません。

可愛いので一度でいいから実際に見てみたいのですが…。

 

あの白いフワフワしたものは、体から分泌されるロウ物質。

動いていないゆきんこ虫でも十分に雪のようですが、飛ぶ姿はさらに雪に近くなります。

 

ゆきんこ虫は飛ぶ力がとても弱く、風に流されてフワフワと飛ぶので、大量発生するとほんとうに雪が降っているように見えますね。

ロウ物質はこのように風に乗って飛ぶためのものだと言われています。

 

北海道やその周辺では初雪が降るころに現れるので、それも「ゆきんこ虫」という名前の由来につながっているのでしょうか。

ゆきんこ虫の姿を見かけると、そろそろ雪が降るなぁと風物詩にもなっているそうです。

ゆきんこ虫は害虫?

アブラムシは植物にとって天敵ですが、その仲間であるゆきんこ虫はどうなのでしょうか?

やはりアブラムシ同様、植物の汁を吸うので、翅をもつ前のアブラムシ状態の時は害虫として駆除されることもあるようです。

ただし、翅を持って「ゆきんこ虫」となったら、特に害があるわけではありません。

人を噛んだり毒があるわけでもありませんし、強いて言えばあまりに大量発生すると視界が悪くなるということくらいでしょうか。

そもそもゆきんこ虫は寿命が短く、オスは一週間ほど、メスも卵を産むとすぐに死んでしまいます。

 

またビックリするほど熱に弱く、人間の体温程度ですら弱って死んでしまうんですよ。

よく「ゆきんこ虫のフワフワを取ると死ぬ」と言われたりしますが、それはフワフワが取れたからというよりも、その際に触れた人間の体温で死んでしまうということでしょうね。

 

さらに、フワフワはじつは触ると粘着質でベタベタしています。

そのため服や車のガラスなどに張り付きやすく、一度張り付いてしまうとゆきんこ虫の力では再度飛び立つことができないそうです…。

 

剥がしてあげようにも人が触った熱で弱ってしまいますから、どうしようもありません。

ちょっとか弱すぎませんかね?

しかしそんな儚さも、「妖精」っぽさをさらに倍増させる理由の一つかもしれませんね。

ゆきんこ虫についてのまとめ

こうしてゆきんこ虫の写真を眺めたり話を聞いているだけだと、「可愛いなぁ」という感想しか出てきません。

あのフワフワに触ってみたいなー!とか。

 

しかし、実際に大量発生した時には、歩いていても口や目に入るわ服にひっつくわ、車や自転車もゆきんこ虫まみれ!なんてことになるそうです。

うーん…一度は見てみたいけれど、大群の中に飛び込む勇気はないですね。

(ライター もんぷち)