陸上で暮らすオカヤドカリって知っていますか?実は、天然記念物なのに、ペットとして飼える珍しい生き物なのです。
ペットショップで売られていることもあり、天然記念物としては知らない人もいるのではないでしょうか。
今回は、オカヤドカリの寿命や天然記念物になった経緯について調べてみました。
オカヤドカリとは?
オカヤドカリは、その名の通り陸上で暮らすヤドカリです。
体長は2~7cmほどで、十脚目オカヤドカリ科に属しています。
雑食性で木の実やくだもの、魚などを食べます。
陸上で生活していますが、海で産卵します。
ほかのヤドカリと同じく、自分で貝殻を選び、成長すると大きな貝殻へと移ります。
小さいうちは約2カ月毎、大人になっても年に1度は脱皮をします。
脱皮のときは貝殻を脱ぎ、体の表面が柔らかくなります。
無防備なので、身を守るために脱皮時は一週間~2ヶ月ほど砂に入り、体の外面が硬くなってから出てきます。
夜行性で、湿度の高い環境を好み、気温20~30度で活発になります。
ヤシガニにも近い仲間なので木に登ることもできます。
陸で暮らしているとはいっても、水分が必要で、貝殻の中に若干の水を蓄えています。
フンも貝殻にしますが、水浴びのときに洗い流し、貝殻を清潔に保っています。
ちょこちょこと動き回っているイメージですが、植物や岩場などにひそむ時間も長い生き物です。
オカヤドカリの生息地
亜熱帯の海辺の砂や植物のある場所に生息しています。
日本では南西諸島、小笠原、沖縄などにムラサキオカヤドカリ、コムラサキオカヤドカリ、ナキオカヤドカリ、オオナキオカヤドカリ、サキシマオカヤドカリなどが生息しています。
天然記念物に指定されていますので、特定の業者のみ、捕獲が許可されています。
沖縄のビーチにはたくさんいるので、うっかり自分で捕まえてしまうと、法律違反になってしまうので気を付けてくださいね。
意外に長いオカヤドカリの寿命
オカヤドカリは、自然環境下では20~30年も生きると言われます。
ただし、オカヤドカリの完全な生態は解明されていないので、はっきりしたことは謎に包まれたままです。
飼育環境下では、7~10年程度の寿命と言われています。
しかし、自然環境下ではとても長生きなので、飼育環境次第ではさらに寿命が延びることも考えられます。
子どものペットとしても親しまれていますが、飼育期間は長くなります。
飼い始めるときは、「自分が最後まで責任をもって飼えるか」をもう一度よくかんがえましょう。
ペットにできる天然記念物
オカヤドカリは天然記念物に指定されているにも関わらず、ペットにできる珍しい生き物です。
この不思議な状況の発端は、1970年まで遡ります。小笠原諸島に生息するオカヤドカリの数が減少、希少になってしまい天然記念物に指定されました。
しかし、その2年後に返還された沖縄に大量のオカヤドカリが生息していたのです。
沖縄では、専門の捕獲業者がいるほど数が多く、捕獲を禁止してしまうと、生活に困る人も出てくることから、一部の指定業者に捕獲を認めることとなりました。
そんな経緯から、天然記念物でありながら、ペットとして飼うことができるという状況がうまれました。
オカヤドカリは飼いやすい
過密飼育を避け、貝殻が十分にあれば争いは起きませんので多頭飼うのも比較的しやすい生き物です。
犬や猫のように人間とのふれあいは求めていないので「人になつく」ことはありません。
ストレスを与えないよう必要のないときは触らないようにすることが大事です。
騒音問題などとは無縁なので、集合住宅でも飼いやすいでしょう。
また、掃除のときも殻をつかめば簡単に移動させられますのでお世話しやすい生き物です。
まとめ
自然環境下では30年も生きるオカヤドカリは、ペットにできる天然記念物でもあるとても珍しい生き物です。
愛くるしい目や仕草がたまらなく可愛いので、長期間の飼育もへっちゃらという人は一緒に暮らすのもおすすめですよ。
ライター:さくら