よく見ると円らな瞳をしていて可愛らしいアオダイショウ。
農村地帯ではよく見かけるヘビです。
毒もなく、綺麗な色をしているアオダイショウが古くから守り神と言われてきた理由とは何なのでしょう?
アオダイショウの生態
アオダイショウは日本の固有種で体長は100~200㎝ほど。胴体の太さは5㎝ほどあります。
メスよりもオスの方が大きいのですが、全体的に大き目の個体が多いのはメスのほう。
日本本土では最大種のヘビになります。
北海道では名前の通り青みの強い個体が多いのですが、幼体の時の色は灰色をしています。
この灰色はニホンマムシの擬態ともいわれていて、敵から身を守るためだという説もあります。
毒は持っておらず、森林や堤防、樹上などで生活しています。
高いところに登るときは巻き付いて登らず、腹盤の両端についている強いキールを使って登ります。
建造物があちらこちらに多くなった現代ですが、この昇り方ができるのでアオダイショウは現代にも適応できていると言われています。
自然界での天敵はイヌワシ、タヌキ、いのしし、カラスなど。敵に襲われそうになると川底に沈んで身を隠すこともあります。
幼体の時にはノネコやしまヘビなども敵になります。
食性は幼体の時はトカゲやカエルを好んで食べ、成体になると鳥や哺乳類を捕獲します。
獲物に体を巻き付けて絞め殺すというハンティング方法。
私も実際腕にアオダイショウを巻き付けたことがありますが、相当な力で締め付けてきます。
腕が見る見るうちに青くなるほどの強さです。
5~6月がアオダイショウの繁殖期。7~8月には7㎝ほどの卵を4~17個うみます。一か月~一か月半ほどで卵は孵化します。
野生下での寿命は5~10年。
飼育下では17年という記録もあるそうです。
アオダイショウが守り神と言われる理由
農民として多くの人たちが暮らしていた頃、農閑期の食料として、秋に収穫した野菜や米は貯1年分や冬に食べる分を貯蔵しておきました。
それらの野菜や米に悪さをするのは決まってネズミたち。
夜な夜なカリカリカリカリと米はもちろん、カボチャやイモ、大根までもかじって辺りを散らかします。
しかし、アオダイショウが家の屋根裏などに住み着いていると、ヘビの臭いでネズミが警戒して家に近寄らず、食料を荒らされずに済んでいました。
つまりアオダイショウは毒もなく、食料をネズミから守ってくれることから繁栄の証、家の守り神と言われるようになったのです。
誤まってアオダイショウを殺してしまったり、傷を負わせると病気になったり、怪我をしたりといった祟りに合うということも良く言われています。
アオダイショウのアルビノ
アオダイショウのアルビノは「神の遣い」として信仰の対象にされることもありました。
山口県岩国市周辺にはアルビノが多く存在していて、これらのヘビはみな信仰の対象として駆除されずに残された結果、形質が固定され続けていると考えられています。
この地域の個体群は1924年以は国の天然記念物に指定され、岩国のシロヘビとして有名で、飼育・繁殖のための施設があります。
野生のアルビノ個体の生息地は減少しているそうです。
北海道のアオダイショウ
北海道に生息アオダイショウは本州に比べと大型で、色味も緑色が濃いと言われています。
エサや生息環境の違いからか、美しい光沢を持ち堂々と農村地帯の道路を横断している姿をよく見かけます。
ヘビに関するあれこれはまだまだ沢山あります。
ヘビに関する夢を見たらよいことが起こるという話や、ヘビの抜け殻を財布に入れておくと金運がアップするなど、迷信的なものもありますが、どれもヘビと人間に深い歴史があることを伺わせるものばかりです。
(ライター ナオ)