クレヨンを持って初めて描く花の絵はチューリップ。
誰もが一度は歌ったことのある「咲いた~♪咲いた~♪」のチューリップの歌。
そんな、幼いころから馴染みのあるチューリップの花ですが、チューリップの時期はいつ頃なのでしょう?
チューリップの特徴
チューリップはユリ科チューリップ属の植物です。
和名は、あまり聞きなれない呼び方ですが、鬱金香(うこんこう)いいます。
これは、チューリップの香りがスパイスのウコンのような埃っぽい臭いがすることに由来しているようです。
原産地はトルコのアナトリア地方で、トルコ国内の宮殿やモスクに張られたタイルにも描かれています。
生産地ではオランダがとても有名で、各国へ輸出されています。
日本の園芸品店で販売されている球根はほとんどがオランダからの輸入です。
日本では富山県や新潟県で大規模な栽培が行われており、両県を合わせた球根生産は国内シェアの98%を占めています。
チーリップの開花時期
チューリップは通常、秋に球根で植えつけます。
種を植え付けた場合は、開花までに5年以上かかってしまいます。
チューリップの球根は寒い時期、温度にして2~5℃で1~2ヶ月を超さないと花を咲かせない性質があります。
花は品種により、早咲きで3月下旬~4月中頃、普通咲きで4月中旬~5月頃、遅咲きで4月下旬~5月頃です。
開花前に針などを用いてチューリップの花の根元部分を貫通させ、傷つけるとエチレンが発生して、開花期間を長引かせ、開花後同じことを行うと、開花期間を短縮することが出来ます。
チューリップの園芸品種
主に栽培されているチューリップはゲスネリアナ種と呼ばれるもので、ヨーロッパに持ち込まれた改良種がもとになっています。
早生種では一重早咲き系や八重早咲き系があり、中生種では最も品種数が多いトライアンフ系の紫のネグリタが有名。
他には赤と黄色のキースネリス、白のホワイトドリーム、赤いプロミネンスなどがあり、特殊な花色の品種も最近オランダから多く輸入されています。
珍しい、茶色のカイロ、白に紫の絞りが入ったズレルなど。
戦後生まれたばかりの新しい品種としてダーウィン・ハイブリッド系という品種があります。
有名な品種は桃色のピンクインプレッションや赤のアペルドーン、オックスフォードなどです。
晩生種はいくつも系統に分かれていて、最も有名な品種が多いのが一重遅咲き系。
ピンクダイヤモンドやクイーンオブナイトなどがあります。
八重咲き系では背が高く、茎が早生より強いアンジェリケやマウントタコマ、上下が紫と白の2段に分かれているアイスクリームという品種は最近注目を集めています。
古代のチューリップの主流と言われているのがユリ咲き系で、花弁の先が細くとがっているのが特徴です。
この系統の多くがアクミナータという原種から出たもので、新旧で茎の強さが違っています。
他に有名な品種として黄色のウエストポイント、オレンジのバレリーナ、白に亜科の絞りの入ったマリリンなどがあります。
他に、フリンジ咲き系やビリディフローラ系、パーロット系、レンブラント系、などがあります。
チューリップの栽培
チューリップは日当たりのよい場所で栽培します。
耐寒性はありますが、乾燥には弱いので注意が必要です。
10~11月に球根を植え付け、春に花が咲き花びらが散ったら、花の部分を折り取ります。
脂肪はそのままつけておくと種が出来るので、余分な栄養が取られ、球根が弱ってしまいます。
花がらと脂肪の部分は摘み取り、葉と花茎は球根に栄養を与えるためにしっかりと残しておくようにします。
6月になって葉が黄色く枯れてきたら掘り上げて日陰干しして表面の土を落とし、球根が分かれているものは一つずつ丁寧に分けます。
目の粗いネットなどに入れ、風通しの良い雨の当たらない日陰に貯蔵しておきましょう。
球根を植えてから芽が出るまではかなりの時間がかかりますが、その間、土の中では根が張り巡らされているので、土を乾かしすぎないように水やりは行うようにしましょう。
肥料は植え付ける時にあらかじめ緩効性の肥料を混ぜ込んで置き、液体肥料を10日に1回程度与えるようにしましょう。
球根は秋に植え替えをするときに一度掘り上げます。
親球と同じくらいの球根が出来ていたら、翌年も花を咲かせますが、それより小さいものは花をつけるまでに数年かかるものもあります。
分球する時は丁寧にはがし、球根用の消毒剤などに15分つけてから植えるようにします。
灰色カビ病には注意が必要です。
(ライター ナオ)