子供の頃、何度も面白がって触って遊んでいたオジギソウ。

その仕組みまで考えたことはありませんでしたが・・・・・

今回はオジギソウについて詳しくお話します。

オジギソウの特徴

オジギソウはマメ科ネムノキ亜科に分類される植物で、別名をネムリグサやミモザと言います。

原産は南アメリカのブラジルで、世界中に帰化しています。

日本では沖縄に帰化し、野外で繁殖していて、日本へは江戸時代後期にオランダ船によって持ち込まれたと言われています。

茎は木質化し、基部はやや横に這って、先端は斜めに立ち上がります。

 

茎には多くの逆棘があり、節ごとに葉を出します。

葉は偶数2回羽状複葉で、羽状に小片を並べた小さい葉が4枚、葉柄の先端にやや集まってつく特徴があります。

 

夏になると葉の付け根にピンク色でボール状の花を咲かせ、花後には種をつけます。

本来は多年草ですが、耐寒性が低いために日本の園芸では一年草扱いすることが多い植物です。

 

オジギソウには毒があるともいわれていますが、実際にオジギソウを触って被害にあったという報告はほとんどなく、葉に触れて遊ぶ程度には何も問題がないと考えられているようです。

オジギソウのおじぎ

オジギソウのお辞儀は人間や動物の神経伝達の仕組みに似たシステムがあると言われています。

葉は接触や熱、振動と言った刺激によって小葉が先端から一対ずつ順番に閉じ、最後に葉全体がやや下向きに垂れ下がります。

この一連の運動はみるみるうちに、たったの数秒で行われます。

この現象は特定の部位の細胞が膨圧を失うことによって起こります。

 

オジギソウが刺激を受けると、茎の根元の部分に信号がいきます。

根元にある細胞内ではその信号を受けるとカリウムイオンを含む化学物質が放出され、細胞のタンパク質の形が変化します。

このたんぱく質の変化により、水が元あった場所から移動し、細胞の圧が変化することによって、しおれたようにお辞儀する、というわけ。

 

刺激は次々と伝達され、結果的に葉までも閉じていくという仕組みのようです。

この現象は刺激を受けなくても、夜になると見られます。

 

そして、このような現象が起こる理由については捕食者からの防御という理由が有力なのだとか。

そして、ネムノキ属の多くに見られる現象でもあるようです。

ちなみに、一度刺激を受けて閉じたオジギソウは元の状態に戻るまで20分ほどかかります。

オジギソウの育て方

オジギソウは日たりのよい水はけの良い環境で管理します。

植え付けは6~7月、種蒔きは5~6月に行います。

 

種蒔きは比較的発芽温度が高いので、5月中旬以降に行います。

発芽率は25~30度が最もよく、これくらいの気温があると目が出てもどんどん生長します。

 

種皮が非常に固く、種を蒔く前に30分ほど60℃前後のお湯につけてから撒く方法もあります。

株を植え付ける場合は25㎝程の間隔をあけて植えます。

 

鉢植えする場合は5号鉢に一株が適当です。

水はけのよい土壌であれば、特に土を選ばずによく育ちます。

病気や害虫の被害に合うことも少なく、とても育てやすい植物なので初心者にもおすすめです。

オジギソウの名前の由来と花言葉

オジギソウは学名がミモサ・プティガと言います。

プティガは恥ずかしがるという意味があり、中国語でもオジギソウのことを羞恥草というように、どちらも葉を閉じるオジギソウの性質からついた名前と考えられています。

 

花言葉は「感じやすい心」「感受性」「デリケートな感性」「敏感」「謙虚」「失望」で、控えめでデリケートな花言葉が多くあります。

これも、軽く触れられるだけで葉を閉じてしまう、そんなオジギソウの特徴に由来するものと考えられます。

(ライター ナオ)