キンモクセイの特徴

キンモクセイはモクセイ科モクセイ属に分類される常緑小高木樹で、モクセイの変種です。

中国南部の原産で、日本には江戸時代に渡来してきました。

葉は楕円形で先端が少し尖っており、やや分厚く革のような質感があります。

草丈は3~6mほどになり、樹皮は全体が白っぽい灰褐色で、黒い斑点や筋が入ります。

キンモクセイの名前の由来

キンモクセイは樹皮の様子がサイの皮膚に似ていて、金色の花を咲かせるところから金木犀(きんもくせい)の名前がつきました。

学名はオスマンツスやフラグランス、オウランティアクスで、オスマンツスはギリシャ語で香りのする花という意味なのだそう。

キンモクセイの花

キンモクセイの花は9月下旬から10月中旬にかけて咲きます。

強い芳香のある橙黄色の小さな花を枝に密生させ、特に夜間は離れている場所でも強く香りを感じるほどに臭いを放ちます。

秋に小さいオレンジ色の花を無数に咲かせ、雌雄別々の株で、日本には雄株しかないので実を漬けることはありません。

雄株は雄しべが2本と、不完全な雌しべを持ち、花は芳香を放ちます。

芳香はギンモクセイよりも強く、モンシロチョウの忌避作用があるとされています。

 

花を砂糖漬けにした「桂花糖」は食材や調味料としてお菓子の香りづけやおかゆに入れるなどして使われ、キンモクセイの花を漬けこんで熟成させた「桂花陳酒」などのお酒は日本でも比較的普及しています。

 

キンモクセイの花を使って自分で香水を作ることも出来ます。

材料はキンモクセイの花、無水エタノール、密閉出来る瓶、アルミホイル、ゴム手袋です。

 

キンモクセイの花を適量摘んで、茎やゴミを手で取り除きます。

キンモクセイの花びらを瓶に入れ、ゴム手袋をして無水エタノールを瓶の半分から8分目位注ぎます。

瓶の蓋を閉め、透明な瓶を使う場合は周りをアルミホイルで覆い、密閉し冷暗所で2ヶ月程寝かせれば完成です。

キンモクセイの栽培と剪定

キンモクセイの香りを楽しむためにも、花を利用するのにも、自宅の庭にキンモクセイを植えてみませんか?

キンモクセイ栽培のポイントは日当たりが良く、水はけの良い場所を選んで植えること。

 

寒さに弱いので、東北地方より以北では地植えができない場合もあります。

それなりの樹形を維持するためには、剪定も大事な作業になってきます。

 

基本的には外側剪定と内側剪定があり、毎年外側を剪定しながら3~4年に1回内側の剪定を行い、コンパクトに仕上げるといった方法です。

 

効果としては、新芽のでる場所を想定して剪定することで、好みの樹形を維持できるということや植物の再生できる限界まで短く切り戻して小さく縮小させながら新たな樹形を作りだせること、そして不要な枝を切り落として樹形を大きく生長させることが挙げられます。

 

剪定の時期は11月頃、3~4月頃が適期。

11月には軽めに剪定し、3~4月には短く、沢山の枝を切り詰めてしっかりとした剪定を行います。

 

真冬の剪定は木が枯れる原因になってしまうので、避けた方が良いようですし、花を楽しむには春~夏に剪定を行うのも危険です。

キンモクセイの花は枝分かれしたつけ根から花を咲かせます。ですから、剪定は枝分かれしている部分の枝を5~10㎝ほど残して切り落とします。

 

1年に1度、側面から上面にかけて、全体が丸みを帯びるように切りそろえ、最後に上面から側面を丁寧に微調整を兼ねて刈り込むようにします。

外側の剪定を行った後は内側の枝を透きます。

 

絡み合っている枝を透かすことで、風通しがよくなり防虫効果が高まったり、日光を通しやすくなり全体が光合成出来るようになります。

枝の選択は、真上に伸びている枝や下へ伸びている枝、枯れた枝や内向きに生えている枝など。

 

丸くこんもりとした樹形にする為に、不必要な枝を剪定するようにしていきましょう。

上手に剪定して、キンモクセイの豊かな香りを楽しんでみてくださいね。

(ライター ナオ)