サメの仲間に「カスザメ」という種類が存在しています。

変わった名前をしているこのカスザメですが見た目も実は特徴的で、違う魚と間違われることもあるようです。

こんなカスザメについて紹介していきます。

カスザメの生態

カスザメはサメの一種でカスザメ属というグループに属しています。

体長は1.5m以上にもなり、形状は平べったい体をしています。

 

サメとしては珍しい形であり、カスザメのことを知らない人が見ればエイに見間違えることもあります。

また斑点がいくつもある模様をしていて、全体として保護色になっています。

また夜行性であるため日中は海底に埋もれて過ごし、夜間になると活動を始めます。

生息域について

主に北西太平洋にカスザメは分布しており、比較的水温の低い海域を好むと言われています。

本州の東側の太平洋から東シナ海、さらに日本海の南部や黄海にまで生息しています。

 

そして特徴的なのは底生性だということです。

水深数十メートルから300メートルまでの海底に潜んでいて、岩礁ちかくの砂底でよく確認されます。

「カスザメ」の由来

なんとも可哀そうなことにカスザメの「カス」は価値のないものという意味を表す言葉をあてられているようです。

実際には何の価値もないということはなく食用としてやその他にも活用はされています。

カスザメの食性について

サメと聞くと一般的に危ない生物だというイメージを持ちがちです。

実際にはホオジロザメやその他いくつかの種類が危険なだけで温厚な性格のサメも多いです。

 

カスザメについても同様で、突然人間を襲うようなことはありません。

当然人間から刺激を与えて、攻撃されたと思われてしまうと噛みつかれてしまうかもしれません。

 

その場合怪我をしてしまうくらいの力はあるため、気をつけなくてはなりません。

カスザメの食事のターゲットとなる生物は魚類から甲殻類などと、幅広いです。

 

しかしカスザメが基本的に海底にいるため捕食対象も底生性の魚などが多いです。

また捕食の方法は自分から襲いにいくのではなく、待ち伏せをして獲物が近くまで来るまで耐えるのです。

 

そしてその待ち伏せを成功させるために体色も保護色となっているのです。

保護色を持っていると人間から見ても発見がしにくく、底の砂や岩と見間違えて近づいてしまうのです。

人間との関係

太平洋から東シナ海まで日本近辺でも多く生息しているため漁で捕獲されてしまうことも多くあります。

底生性の魚なので基本的に底引き網による漁での捕獲が多く、個体数を減らす原因にもなっているようです。

 

個体数の減少要因は、カスザメがこうした網に引っ掛かりやすいということと、繁殖力が弱いとも言われているためであります。

捕獲されたカスザメは実際にはカスのような無価値のものではありません。

食用として味わうこともされているのです。

カスザメはサメらしくないサメだった!

以上で紹介した内容がカスザメの基本的な情報です。

特徴としてはやはりエイのような見た目であること、そして凶暴な性格ではなく人間への危害はほとんどないということでした。

 

また捕食対象の魚などを捕らえるのも追いかけてかぶりつくようなやり方ではなくじっくり海底で待つといった戦法です。

そのため畏怖されるようなサメのイメージとはかけ離れたサメなのです。

 

さらには名前に「カス」をつけられるほどの不遇っぷりです。

水族館で見ることもできるようですが、残念なことに水族館における人気も低いです。

 

派手な見た目をしているわけでもなく、砂に埋もれてじっとしていることが多いからです。

獲物を待ち伏せし捕らえる瞬間を見ることができれば盛り上がりそうですが、カスザメの食事は頻繁に行われることはなく、一日に数回食べるだけのようなのです。

風変わりなタイプの生物が好きな人には良いかもしれません。

ライター yuki_1