蜂の被害もそろそろ終盤に差し掛かってきた頃でしょうか。
人間にとっては、とても恐ろしい部類の昆虫に入る蜂たちですが、彼らにもしっかり天敵がいるんです。
今回はそんな蜂の天敵に関するお話です。
蜂の生態
蜂は昆虫鋼ハチ目に分類される昆虫です。
全部のハチに共通する特徴として2対4枚の翅があり、後ろの翅は前の翅よりも小さくなっています。
大あごが発達している種類も多く、人間が噛まれるとかなりの痛みを生じます。
ただし、ミツバチなどのように大あごが小さく、花の蜜を吸うための器官が発達している種類もいます。
成長段階は完全変態で、メスの成虫には産卵管が発達していますが、産卵管を毒針に変化させた種類もいます。
生活は社会性を持っていて、働きバチやオスバチなどがそれぞれの役割を果たしながら一生を終えていきます。
蜂の社会ではメスが中心で、働きバチも全てメス。オスは特定の器官に女王バチと交尾をするためだけに生まれてきます。
女王バチは最初はメスだけを生み、一定の数に達するとオスを生み出します。
女王の花らの中には精子を蓄える袋があり、一度の交尾で一生産卵することが出来ると言われています。
蜂は種類によって実に多様な生態をしているので、その生態について述べるのは難しいのですが、私たちが良く目にするミツバチやアシナガバチ、スズメバチは集団で巣を作って暮らし、花の蜜や樹液等を集めたり、時には昆虫等を捕まえて幼虫に与えたりしています。
中でもスズメバチについて語られることは多く、毎年被害者が出るのは必須です。
蜂の天敵
そんな蜂たちの天敵は、実は意外に沢山います。
鳥やアブ、オニヤンマやオオカマキリなどの大型の昆虫、そしてクモなどです。
これらは蜂の巣の外で成虫を捕食します。
成虫に寄生する生物としてはネジレバネやセンチュウが挙げられ、更に巣の中で幼虫を食べたり、寄生したりする生物として、カギバラバチやベッコウハナアブなどの寄生蜂や寄生アブの存在があります。
その中で最強の天敵とされるのがハチクマです。
ハチクマは体に硬質の羽毛が鱗のように厚く密生していて、毒針が刺さらないようになっています。
彼らは樹上に営巣する蜂はもちろん、地中に巣を作る蜂の巣までも蜂たちが出入りする場所などから見つけ出して、巣の真上から掘り起こし、捕食してしまいます。時には養蜂場の蜂を狙うこともあるそうです。
ハチクマの凄さはそれだけではありません。
ハチクマの攻撃をいったん受けたハチは、もうハチクマに対して反撃をしなくなるのだそうです。
これはハチクマが蜂の攻撃性を奪うフェロモンを持っているとか。嫌がる臭いを体から出しているという説や、執拗な攻撃で蜂に諦めさせ、他の巣に移動するまでしつこく攻撃する、などと言われています。
ハチクマは猛禽類の中では種同志で争うことは無く、蜂の巣を襲う時のように、強力して狩りを行うことも知られています。
他にも巣ごと食べてしまうクマなども怖い天敵です。
話題のヒアリも蜂の仲間?
アリと蜂は実は系統的に近い存在です。
アリはハチの中の一種も言えます。
今年メディアで騒がれたヒアリも狩りバチが地上生活へと進化したものと考えられています。
蜂同様に針をもち、刺されると酷い痛みを伴ったり、アナフィラキシーショックで死に至ることもあると言われています。
蜂の生態と天敵に関するまとめ
蜂は昆虫鋼ハチ目に分類される昆虫。
蜂は社会性を持って暮らす昆虫。
蜂の社会では女王バチと働き蜂がメス。
それ以外はオスで、一定期間に女王バチと繁殖する為にだけ存在する。
最大の天敵はハチクマ。
それ以外にも寄生アブや鳥類、大型の昆虫なども蜂を捕食する。
ヒアリも系統的にはハチの仲間。
(ライター ナオ)