子供の頃の砂遊びでは、私たちのオモチャ!?になってくれたダンゴムシ。

あの頃は考えもしませんでしたが、彼らにも天敵はいるはずで、私たち人間は

殺さないだけ、まだましだったのかも・・・と今更思ったりもしています。

ダンゴムシの生態

ダンゴムシはワラジムシ目の一種。

一般的にダンゴムシと言われているものはオカダンゴムシですが、このダンゴムシ、実は節足動物で甲殻類、つまりクモやムカデよりもエビやカニに近い生物で、

つまり・・・・食べられる!?災害時の非常食になるとも言われているんです。

広い範囲の土壌に生息していて、分解者の役割を担っています。

日本では海岸線や砂浜にやや大型のハマダンゴムシ、森林の土壌地帯には小型のコシビロダンゴムシが生息しています。

 

落ち葉の下など、適度な湿り気のあるところを好み、時に大量に群れで生息していることもあります。

基本的には明るい所が苦手な夜行性です。

 

ダンゴムシは体長が10㎜程度。体は14個の体節が連なっています。

顔には2つの触角と口があり、顔の表部分には目がありますが、視力は殆どありません。

脚は一節に一対ですから、全部で14本あることになります。

 

落ち葉を食べて微生物が分解しやすい状態の糞をすることで土壌を豊かにしてくれるという一面を持つ反面、農作物の葉や茎を食べたりといった不快害虫の側面も持っていて、専用の駆除剤なども販売されています。

 

しかし、ダンゴムシ自体は毒を持っていたり、攻撃したりすることもなく、安全な虫と言えます。

息を吹きかけたり、少し触ったりするだけで丸まり、子供のおもちゃ代わりにされることもしばしば。

 

丸まった時には結構な硬さになります。

また、ダンゴムシは移動する時に何らかの障害物に当たると左右交互に曲がる習性があります。

 

つまりジグザグに動いていくという、ゼンマイ仕掛けのオモチャのような動きをするのです。

ダンゴムシの繁殖期は冬を過ぎて気温が徐々に上がり始めたころです。

 

オスはメスを激しく追いかけ、求愛行動を頻繁にするようになります。

丸まっているメスにもう一匹が覆いかぶさっている光景を見かけたら、それはまさにオスがメスに言い寄っている真っ最中!

 

メスとオスの交尾にはタイミングが大事で、運よく交尾に至るとメスは自分のお腹の保育嚢と呼ばれる器官に産卵します。

1度の出産で100個前後の卵を産みま漬けます。保育嚢は光に透かすとまるでカズノコのように黄色く透明で、肉眼でもわかるサイズまで成長します。

 

孵化するまでには数週間かかり、脱皮する直前に保育嚢を破って下界へ這い出します。

3か月経つ頃までには、幾度かの脱皮を繰り返し、成虫のような黒色のダンゴムシに成長し、4か月経つころには性成熟し、子孫を残せる状態になります。

寿命は3~5年と意外に長く、越冬しながら生きていきます。

ダンゴムシの天敵

毒も持たず、丸まることでしか敵を防御しないダンゴムシですから、天敵は沢山います。

まず、鳥。鳥はダンゴムシが丸まってしまおうとお構いなしです、丸ごと捕食します。

 

アリも実は天敵のひとつ。集団で襲われてしまってはダンゴムシの丸まり攻撃も無意味です。

動きの速いトカゲも動きの遅いダンゴムシを捕まえます。

 

大きなヘビは爬虫類やネズミなどの小さな哺乳類を捕食しますが、小さなヘビは昆虫を捕食します。

ヘビもダンゴムシの天敵です。

 

他にもムカデやアリジゴク、ジグモなども天敵になりえる存在で、地表には実に多くの天敵がいることになります。

エビの仲間と言えど、丸まるだけの防御では、たちうち出来ないのです。

ダンゴムシの生態と天敵に関するまとめ

節足動物で甲殻類、つまりクモやムカデよりもエビやカニに近い生物。

ダンゴムシのオスの求愛行動は激しいがなかなか交尾には至らない。

天敵は鳥や地上に棲む多くの生物。アリやトカゲ、ヘビなどです。

(ライター ナオ)