お馴染みダンゴムシ。

子供の頃、身近にいて私たちを楽しませてくれたダンゴムシですが、彼らの出産や産卵について知っていますか?

今回はダンゴムシの出産と産卵について詳しくお話しします。

ダンゴムシの特徴

ダンゴムシは節足動物門甲殻網ダンゴムシ目の動物です。

クモやムカデの仲間というよりは、どちらかというとエビやカニに近い生き物。

オカダンゴムシ科、ハマダンゴムシ科、コシビロダンゴムシ科の3つの科に分類され、日本にはこの内海岸線に大型のハマダンゴムシ、森林の土壌ではやや小型のコシビロダンゴムシがいて、オカダンゴムシはヨーロッパ原産の帰化動物であると考えられています。

 

落ち葉を食べ、微生物が分解しやすい状態にして排泄するダンゴムシは生態系の中で分解者の役割を担っています。

しかし、落ち葉以外にも農作物の葉や茎、場合によっては新芽などを食害したり、見た目の不気味さから不快害虫としての側面もあり、駆除用の薬剤も販売されています。

 

コンクリートや踏み固められた年度質の土など、堅い地面の上に置くと少し息を吹き替えただけで丸まってよく転がるので子供たちのおもちゃ代わりになることもあります。

ダンゴムシの産卵

ダンゴムシの産卵時期は5~6月頃、出産は育房と呼ばれる部屋で行います。

一度に50~200個の卵を産みます。

 

足の付け根に育児嚢という袋を持っていて、出産後はこの袋の中に卵を持ち歩いて、卵が孵化するまで世話をします。

孵化してから1週間ほどはこの袋の中で成長し、袋を破って出てきた時には数ミリの透明な乳白色をしています。

歩脚は5対ほどしかありませんが、それ以外の形は成虫と同じです。

 

その日のうちに一回目の脱皮をし、1年で成虫になり、寿命は3~5年程です。

この産卵方法はエビやザリガニなども同じ方法で、ダンゴムシが甲殻網であることの証でもあります。

ダンゴムシの種類

オカダンゴムシ

オカダンゴムシは落ち葉の下などでよく見ることが出来ます。

日本では単にダンゴムシと呼ばれることの多い種類です。

 

頭部には2対の触角があり、胸部には7対の歩脚があります。

腹部は5節に分かれていて、胸部と腹部の区別は難しいのですが、背面はやや丸く盛り上がっていて、腹面は平らになっています。

 

オスは暗灰色一食ですが、小さな黄色い紋がまばらに出るものも見られ、メスはオスよりもやや小型で、体色は全体的に淡く、黄色や褐色の班模様をしています。

刺激を受けると腹面を内側にして丸まり、防御姿勢に入ります。

 

これはタマヤスデとよく似ていて、区別がつかない程だとか・・・。

もともと日本に生息していなかった帰化種で、生命力の強さから急激に全国へ分布しました。

明治時代に船の積荷に乗ってやってきたという説が有力で、乾燥に強いために人家周辺で繁殖していったと考えられています。

ハナダカダンゴムシ

ハナダカダンゴムシはオカダンゴムシ科の一種で、オカダンゴムシよりも平たく背甲は淡い灰色で、名前の通り鼻の部分に出っ張りが見られるのが特徴で、名前の由来になっています。

丸まった時の姿が球体ではなく、横から見ると少ししゃくれ気味なのが特徴。

セグロコシビロダンゴムシ

セグロコシビロダンゴムシはオレンジ色の模様が特徴的なコシビロダンゴムシの一種。

日本に生息コシビロダンゴムシ科のダンゴムシは約21種類ほどだとされています。

 

関東以南の本州と四国、九州などの海岸近くに多く見られます。

オカダンゴムシに比べ大きさは半分ほどで、更に尾節の形状がまさかり状をしています。

ハマダンゴムシ

ハマダンゴムシは名前の通り海岸沿いに生息しているダンゴムシです。

オカダンゴムシよりも大きく、背中に砂のような模様が入っているのが特徴です。

夜行性で昼間は石の下などに隠れているので、昼間探すときには石などを掘り返してみて下さい。

(ライター ナオ)