日本では「ミドリガメ」という別称で親しまれている「アカミミガメ」。
現在既に飼育しているという人や、これから飼育してみたいという人もたくさんいるでしょう。
そこで今回は、そんなアカミミガメの生態や寿命についてまとめていきたいと思います。
アカミミガメの生態・寿命
アカミミガメはアメリカ原産のカメで、日本では亜種である「ミシシッピアカミミガメ」が定着しています。
ミドリガメは日本の在来種だと勘違いしている人も多いですが、れっきとした外来種。
日本以外でも世界各地で移入・定着が確認されており、世界を股にかけて分布が確認されているそうです。
大きさは最大で30㎝近くにもなり、オスよりもメスの方が大きい傾向にあります。
主に流れの緩やかな川、池、湖などに生息。
国内でお馴染みのミシシッピアカミミガメは汚水にも強いので、都市部の人工池や側溝などでも見ることがありますね。
特徴は目の後ろから首辺りにかけて入っている赤い模様。
耳のような位置にこの赤い模様があることから、「アカミミガメ」という名前が付けられました。
(実際は赤い部分が耳というわけではありません。)
寿命は野生下でも20年~30年。
飼育下であれば更に長生きすることもあるそうです。
リクガメやウミガメなどの大型のカメに比べれば短いですが、ペットとして飼育する生き物の中ではかなり長いですね。
飼育する際には、最後まできちんと面倒を見られるかどうか、よく考えましょう。
アカミミガメは外来種ですし、飼えなくなったからと捨ててはいけません。
食性は雑食で、水草、藻類、昆虫、小魚、カエル、甲殻類など様々な物を餌としています。
一般的に、幼体の頃は動物食傾向の方が強く、成長に伴い植物食の傾向が強くなると言われています。
飼育下ではカメ専用の餌や、ご飯粒や野菜を小さく刻んだもの、挽肉などを与えることも可能。
アメリカでは生息数が激減?
日本を含め世界各国で侵略的外来種として問題になっているアカミミガメですが、じつは原産地であるアメリカでは生息数が減少しているというのです。
原因は人間の開発による生息地の破壊・減少や、乱獲など。
または亜種間での交雑による遺伝子汚染の懸念もあります。
よその国では増えすぎで迷惑しているのに、アメリカでは減ってきているなんて…なかなかうまくバランスが取れないものですね。
アカミミガメは繁殖力もあって適応力も高いイメージがあるのに、それでも減少してしまうということはよっぽど乱獲や生息地の減少が酷いのでしょうか。
アカミミガメはスッポンよりも美味い?
驚くべきことに、アカミミガメは食べることもできるそうです。
味はちょっとクセや臭みのある鶏肉、と言った感じなんだとか。
スッポンのように鍋やスープなどにして食べている人が多いですが、その他にも炒め物やオーブン焼きなどの料理にもアレンジ可。
調理のコツとしては、事前にしっかりと泥抜きをすることと、菌を殺すためによく加熱することだそうです。
しかしそもそもスッポンですら生理的に無理だという人も多いのに、ペットとしての印象が強いアカミミガメはちょっと抵抗が強いんじゃないかと思いますが…。
何年か前に大手コンビニローソンが、アカミミガメの甲羅エキス入りのゼリーを発売して話題になっていましたが、意外と気にならない人も多いのでしょうか。
アカミミガメについてのまとめ
日本人にとっても身近なアカミミガメですが、知らないことはたくさんありましたね。
2020年には国内のミシシッピアカミミガメは特定外来生物に指定され、多くの規制がなされる予定になっています。
新たに飼育することはもちろん、野生の個体を捕まえて持ち帰ることすら禁止ですし、既に飼育している個体についても許可を申請しなければいけません。
いつか私たちの生活の中から、ミシシッピアカミミガメが姿を消す日がくるかもしれませんね。
(ライター もんぷち)