うさぎは、「兎」や「兔」とも書く、ウサギ目・ウサギ科・ウサギ亜科の動物です。ここではうさぎとその寿命について紹介します。
うさぎの生態
うさぎは、草原や半砂漠地帯、雪原、森林、湿原などに生息しています。
そのなかでもアナウサギは、地中に複雑な巣穴を掘って集団で生活しています。
縄張り意識は比較的強くて、顎下の臭腺をこすりつけることで臭いをつけて、テリトリーを主張します。
ノウサギは穴での生活はおこないません。
うさぎは、以前はネズミの仲間と分類されていました。
足の裏に肉球はありません。厚く柔らかい体毛が生えています。
前肢よりも後肢が長く、跳躍走に適しています。
なお、うさぎの前肢の指は5本、後肢の指は4本で、後指には爪が発達しています。
体全体が丸みを帯びており、尻尾は短いです。
ちなみに盲腸は長いです。
うさぎの食性は植物食で、草や木の葉、樹皮、果実などを食べます。
一部の野生種は昆虫なども食べます。
うさぎは胎生で、交尾によって排卵が誘発される交尾排卵動物です。
妊娠期間は最長がユキウサギのおよそ50日で、多くの種は30~40日となっています。
一度の出産で1~6羽も出産します。
うさぎの天敵は、キツネをはじめとする小・中型の肉食獣と猛禽類です。
ストレスにとても弱い動物で、絶えず周囲を警戒しています。
うさぎの寿命
現在ペットとして飼育されているうさぎは、ほとんどがアナウサギの子孫です。
そのため、品種によって寿命が大きく異なるということはありません。
うさぎの寿命は、5~10年といわれています。
ネザーランドドワーフの寿命は、一般的には5~6年です。
雑種のミニウサギや、そのほかの種の寿命はだいたい5~10年です。
うさぎの健康状態や飼育環境によっては、15年以上生きることもあります。
一般的に寿命とされている年齢は5~10年ですが、感染症や病気によって早く亡くなることも多く、ペットの寿命は平均すると5~6年ほどになるようです。
うさぎのその他雑学 その1
うさぎで、もっとも長生きしたのは、オーストラリアのタスマニア州のFlopsy(フロプシー)です。
フプロシーは、もともと野生のアナウサギでした。
1964年8月に保護されてから1983年6月までの18年と10ヵ月を生きました。
これは人間でいうところの130歳に相当します。もちろんギネスに載っています。
うさぎのその他雑学 その2
うさぎは、古代から狩猟や養殖がされており、食用として利用されてきました。
マンモスなどの大型の獲物が少なくなるにつれて、うさぎのような小型の動物が重要な獲物となっていきました。
ネアンデルタール人は、うさぎのような小さな獲物を狩ることができなかったため滅んだ……という説もあります。
うさぎの料理は、フィレ・ステーキが有名です。
ただし、1羽からとれるフィレは、ホタテ貝の貝柱ほどしかなく、ステーキを作るには数羽分のフィレ肉を必要とします。
また、挽肉にすると粘着性が高くなるので、ソーセージやプレスハムの結着剤として使われることもあります。
うさぎのその他雑学 その3
うさぎの肉は、北米ではフライ用、ロースト用、内臓の3等級に分類されています。
生後9週までの体重4.5~5ポンドの肉はフライ用。
月齢8ヵ月までの体重5~8ポンドの肉はロースト用と定めています。
ロースト用は、フライ用よりも肉が硬いようです。
フランス料理では、一般的な料理に使用するラパン(養殖うさぎ)と、ジビエに使用できるリエーヴル(野うさぎ)に区別されてきました。
養殖うさぎは、アナウサギを家きん化したものです。
背肉から腿肉までが主要部位で、内臓肉は腎臓やレバーなどを食べます。
ただし現代では、伝統的な料理に使われる程度になってきています。
日本でも食べられており、江戸時代の徳川将軍家では、正月の三が日に「うさぎ汁」を食べる風習があったようです。
また、秋田県の一部地域では「日の丸肉」と呼ばれ、旅館料理として出されることがあります。
ちなみに明治期に入ると、兎の輸入がはじまります。
うさぎのまとめ
以上、うさぎとその寿命についていかがでしたか?
うさぎは寿命が短く、また世界各地で狩猟されているので、もしかしたら絶滅するのでは?
と心配される方がいるかもしれません。しかし、うさぎは年中発情・生涯現役です。
ものすごいいきおいで繁殖しますので、よほどのことがない限り絶滅することはありません。
精力絶倫だなんて、可愛い顔して意外ですよね。
(ライター ジュン)