人気赤丸急上昇中のスピノサウルス。
最古の化石は1900年代の始め頃に発見されたそうですが、戦争中紛失され行方知れずになっていました。
長い間謎と共に深い眠りについていたスピノサウルスですが、ここ数年化石が発見されるようになり研究が進んでいます。
体長は15mにもなる史上最大級の恐竜だとか。
生息時期はややずれるものの、ティラノサウルスと同じ獣脚類の恐竜であり体長はティラノサウルスより大きいかも知れません。
ティラノサウルスとどっちが強いのか?!
スピノサウルス
学名はspinosaurus、意味は棘トカゲです。
生息時期は白亜紀中期、生息地は主にエジプトやモロッコなどの北アフリカです。
最大らしい大きさの個体で体長は15m、体重は推定20tだとか。
いくら何でも重すぎるだろう、と思いますがこれらはあくまで推定なのではっきりした数値は不明です。
スピノサウルスは水中で生活していた形跡があり、浮力の関係から骨の重さを計算するとこれくらいまで重くなる計算になるようですよ。
控えめに見積もると7tくらいだともいわれています。
しかしあまりに重くなると、陸に上がった時の動きが途方もなく遅くなっていまいますね。
外見の特徴として、背中に帆のような突起が見られます。
この部分は骨が棘のように発達し、薄い皮膜が張られているように見えます。
化石をみると、背中に何かが刺さっているかのようですね。
名前の通り背中に棘を持つ恐竜です。
船のような恰好のスピノサウルスですが、最大1,7mほどもある背中の帆は体温調節の為だとか、水中で体の安定を保つ為だとも考えられています。
頭骨部分はワニのように細長い形をしているのも特徴です。
水中で主に魚類を捕食していたようですね。
スピノサウルスの歯は円錐状です。
スピノサウルスについても初期のティラノサウルスのように、体が重すぎて動きが遅かったのではないか、ともいわれます。
体型についてはまだ復元できていない部分も多く、特に脚の長さについては決定的なことがないようです。
後ろ脚は短めである可能性があるようですが、肉食恐竜で四足歩行をしていた事になり、これはまた新発見です。
水中では四足を動かして泳ぎ、陸上では四足歩行だったのかも知れません。
ティラノサウルスあれこれ
巨大で獰猛な肉食恐竜でありながら、実は結構頭もよかったかも知れないという証拠が出てきた為、人気を盛り返しつつあるティラノサウルス。
恐竜の走るスピードを計測するには、足跡の化石が必要です。
人間でもそうですが、その生物がどのくらいの歩幅で移動していたかを見ると、だいたいの走行速度が推定できます。
しかしティラノサウルスの場合、測定に必要なだけの足跡の化石が少なく、はっきりした速度は今もって不明です。
様々な情報から考えられるのは、最大速度で時速30kmから60kmを行ったり来たりといったところです。
ティラノサウルスといえば大きな頭です。
頭骨の大きさは脳の容量だけでなく、その厚みや重さもかなりのものであったことを示しています。
その体を支える為の後ろ脚の発達具合もかなりのものであり、爪だけで1mほどだそう。
これは他の獣脚類とはくらべものにならないほど大きくできています。
スピノサウルス、ティラノサウルスの化石が見られる場所(国内)
群馬県みどり市大間々博物館(コノドント館)「巨大になった肉食恐竜 中生代の陸上の支配者」会期は9月3日まで
この展示では、スピノサウルスとティラノサウルスが中心になっているようです。
詳しくは公式HPなどご参照ください。
スピノサウルス類の化石が日本国内で初めて発見されたのは群馬県です。
タイや南米でも化石が見つかる事から、生息地域が広いらしい事も分かってきました。
千葉県幕張メッセ「ギガ恐竜展2017 地球の絶対王者のなぞ」9月3日まで
年々ド派手になっていく恒例の幕張の恐竜展。
今年の目玉はルヤンゴサウルスなど日本初公開の全身骨格だそうです。
他、尾が引きちぎられたティラノサウルス、通称ワイレックスの全身復元骨格もあります。
ティラノサウルスの共食い行動を裏付けるものとして評判だとか。
スピノサウルスとティラノサウルス、結局どっちが強いのか
ティラノサウルスがスピノサウルスを襲うとしたら、スピノサウルスは水辺に逃げてしまい、それ以上追えません。
しかし舞台が陸上であれば、ティラノサウルスはスピノサウルスの帆に噛みつくのではないでしょうか。
最も目立つ部分であり、高さはありますがわりと薄めに出来ている部位です。
どんな生物にも急所は存在するはずです。
万が一同じ時代に生きていたら、何となくお互い距離を置くような気もしないでもないですが、ティラノサウルスがスピノサウルスの帆に噛みついて、ぶんぶん振り回している図が頭に浮かんでしまいます。
(ライター:おもち)