海の中を悠々と泳ぐウミガメの姿は、綺麗なサンゴなどをバックにとても優雅に見えるものです。
カメは万年と言いますが、実際にウミガメの寿命ってどれくらいかご存知ですか?
ウミガメの種類
ウミガメは熱帯や亜熱帯地域を中心に世界中に生息しています。
日本で見ることが出来るのは、ヒメウミガメ、タイマイ、アオウミガメ、オサガメ、アカウミガメの5種類でうち、日本を産卵場所としているのはタイ米とアオウミガメ、アカウミガメの3種類になります。
ヒメウミガメとタイマイは沿岸からあまり離れることなく生活し、一方アオウミガメやオサガメ、アオウミガメは海洋を長距離に渡って回遊するタイプのウミガメです。
アオウミガメは体内の脂肪が緑や青色っぽかったことからその名前が付けられたと言われています。
体長は90㎝前後、大きくなると150kgほどの重さになります。昔から卵を食用にするなど乱獲が続き、現在は絶滅危惧種に指定されています。
タイマイはべっ甲ガメともいわれ、その甲羅がべっ甲細工にも使われてきました。
口がとんがっていて、甲羅の淵がギザギザしているのが特徴です。最大重量は90kgほどと言われる比較的小型のカメです。
美しい甲羅が乱獲の対象となり、その数は激減。近年は産卵する海辺の減少から、産卵数も激減していると言われています。
アオウミガメは甲羅がまるでやすりで磨いたようになっているこわもてで、ダイバーたちの間ではガメラの愛称で親しまれているのだとか。
ウミガメの特徴
四肢は平たく、前足は長大です。
前足を櫂のように使って泳ぎ、後ろ足で舵を取っています。
悠々と泳いでいるように見えますが、敵から逃げるスピードはとても速いといわれています。
甲羅は上下に平たく、真上から見ると水滴の形やハート形をしています。
産卵時以外は陸地に上がってくることはなく、オスは一生を水の中で過ごしますが、肺呼吸なので定期的に水中から顔を出して息はしています。
エサは海草や海綿動物、クラゲや魚類、甲殻類などで、エサを見つけると海水ごと丸のみします。
ウミガメの内臓のしくみ
水圧の違う海中を自由自在に泳ぎ回っているウミガメですが、よくもまあ、水圧の変化する環境で丸のみしたエサを消化できるものだと思いませんか?
実はウミガメの内臓にはちょっとした仕組みがあるんです。
食道の内側の組織には棘上の突起があり、これを調節することによって、潜水しても内臓周辺の気圧が変化しないように調節をしているんだそうです。ですから、内臓は常に一定の環境を保つことができ、丸呑みしたエサでもきちんと消化され、逆流することを防いでいるというわけ。
ウミガメの産卵時の涙
よくウミガメは産卵の時に涙を流して卵を産むと言われ、お話の世界では美談として取り上げられたりもしますが、実はあの涙は完全に生理現象。
残念ながら、人間のように産みの苦しみや、わが子の誕生に涙しているわけではないようです。
先にも少し書きましたが、ウミガメはエサを食べる時に海水と共にエサを丸呑みします。
このため、体内に入った海水は定期的に外に出さなければなりません。
陸地に上がって産卵する時、ウミガメのメスはピンポン玉ほどの卵を100個ほど産み、後ろ足で砂をかけて卵を産めます。
この時、ついでに自分の体内の塩分調整をしている行為が涙に見えるというわけ。
ウミガメの目の裏側には目玉と同じ大きさの涙腺があり、そこから体に溜まった余分な塩分を出しているのだそうです。
ちょっとがっかりではありますが実態はそういうこと。
しかし・・・・・往生際が悪いですが、敵の多いウミガメの赤ちゃんが100匹のうち海にたどり着けるのはわずかで、しかも成体になるウミガメはほとんどいないという現状を考えれば、母としては、そうは言ってもやっぱり泣いているんじゃないの?なんて非科学的なことを思ってしまったりするわけです・・・・
ウミガメの寿命
本題が最後になってしまいましたが、万年生きると言われるウミガメですが、実際の寿命ははっきりとわからないというのが現状のようです。
木の年輪のように測定する部分がないということが、曖昧になっている一つの要因のようですが、ほとんどのウミガメが寿命を全うできずに死んでいるということももう一つの理由として挙げられます。
現在確認されている最高齢は200歳で、平均すると100歳ほどではないかと言われてはいるようですが。
これが本当だとすると、万年とは言わずとも、かなりの長寿。きっといろんな知恵や賢さを身に着けて悠然と海を泳いでいるのでしょうね~
そういえば、つい最近娘が修学旅行のお土産にといって、長寿と書かれたカメのキーホルダーを買ってきてくれました。
100年か~~~先はまだまだ長いなあ~~。