ナス科のトマトは南米のアンデス地方の高地が原産です。
春先といえばトマトの植え付け時期になる頃です。アブラムシ対策として有効な手段とはどのようなものでしょう?
トマトについて
今でこそ健康や美容によい野菜として浸透しているトマトですが、野菜としてのトマトの利用の歴史は意外に浅く、日本では大正時代くらいに食用としての本格的な栽培が始まったといわれます。
それまでトマトは観賞用でした。
トマトが生食として食生活に定着し始めたのは戦後になってからです。
アブラムシの発生時期
アブラムシの発生は、気温が上がる3月から10月頃です。
しかし何かを育てた事がある方ならよくご存じのように、アブラムシはほぼ一年中いる事もあります。
特に気温が高い地方ではアブラムシの発生が一年中という事もあり得ます。
作物につくアブラムシたちには一般に翅がないように見えますが、吸汁している作物の養分が足りなくなると翅を持った個体が発生し、また栄養のある作物についてしまいます。
この時期はだいたい夏です。
アブラムシは、葉や茎、生育に多大なダメージを与えます。
アブラムシたちは排泄物として甘露と呼ばれる甘い物質を出します。
この甘露も病気の要因になってしまいます。
しかしもっと困るのは、アブラムシはウイルスを媒介する可能性もある事です。
一般的なアブラムシ対策として、葉の裏に発生したらガムテープなどで取り除く、薬剤に頼る、などの方法がありますが、トマト栽培の過程でもできる事はあるようです。
トマトの土作り
トマトの栽培は苗から始めるのが一般的です。
トマトを種から発芽させるのは結構難しいです。
苗を土地に植える植え付けは4月や5月が良いようですが、生育の適温及び発芽の地温度は20度から30度のようですので、気温が高い西日本などは少し早めの方が生育に良いかも知れません。トマトは中性や弱酸性の土を好みます。
土に苦土石灰をまきよく耕します。植え付け予定の1週間前くらいには肥料を入れます。
この肥料についてですが、トマトを栽培する場合は追肥も含め与えすぎに注意です。
特にチッソ系のものだとトマトの生育には良くありません。
また、チッソはアブラムシの好物でもあります。肥料を与えるならリン酸系のものが良いという話もあります。
トマトの植え付けや収穫について
トマトの苗と苗の間は50cmほど開けます。
まずは苗に水をたっぷりあげてから土に植えます。
トマトやナス科の作物を植えた土には植え付けないようにします。
トマトの病害虫を防ぐ為、この定植時に殺虫剤をまくのがおすすめです。
アブラムシ用の粒状のものが便利です。
トマトの葉は、ギザギザしていて、ややくしゃっとしているのが特徴です。
元気そうになってきたら、主軸となる茎を決めて支柱を立てて紐で結び固定します。
葉のわきから出てくるわき葉は摘み取ります。順調であれば花が咲くのは夏です。黄色く5つに分かれたような花弁の花です。
トマトの実がつくように育てるためには花が咲いてからが肝心です。花が咲いたら、トマトの茎か花を軽くたたいて揺らします。
振動受粉と呼ばれるもので、これで受粉を促します。その後、着果ホルモン剤をスプレーします。トマトの果実は房のようにつきます。
無事にトマトが実ったら、その房の下の実から採ってください。
アブラムシの嫌がるもの
アブラムシは光るものを嫌がるとも言われます。
予防するには、支柱にアルミホイルを巻くか、露地植えなら土の上に敷く、「マルチ」をアルミホイルのような光を反射させるものにしてみます。
このマルチは、作物を植えた土を覆うビニール製のものです。
このマルチにも様々な種類があります。
トマトの栽培に適したものもあり、病害虫を防ぐ効果が期待できるものもあります。
このような資材を利用しましょう。
アブラムシ対策とは
プランターや小さめの鉢植えなど、範囲の狭い箇所で育てる場合、目が届きにくくなる事もあります。
トマトがまだ大きく育っていない時期は特に、つい上から見ている事もあり得ます。
するとアブラムシに気付かない事もありますので、梅雨時期などは特に要注意です。
トマトは日差しを好みますが、多湿な環境は適しません。アブラムシの発生時期は3月~10月頃です。
トマトの植え付けや生育時期とも重なりますので、植え付け時期に殺虫剤を使うなど最初からアブラムシが嫌がるものを対策として使用するのが良いかも知れません。
(ライター:おもち)