水中の小さなプランクトン、「ミジンコ」。
池や田んぼなど様々な場所に生息しており、子供の頃理科の授業で採集した経験がある人も多いのではないでしょうか。
顕微鏡で覗いて、見つけたらちょっと興奮しますよね。
じつはミジンコ、魚などを飼育している水槽にも、どこからともなく発生することがあるのです。
ミジンコが発生することで、何か水槽内に影響があったりするのでしょうか?
今回はミジンコの生態を中心に、水槽内に発生することのメリットやデメリットについて見ていきたいと思います。
ミジンコってどんな生き物?
ミジンコは、世界中どこにでも生息している淡水性プランクトンの一種です。
体長は1㎜~3mmととても小さいですが、れっきとした甲殻類。
小さく透明なのでわかりにくいですが、ちゃんと体は殻に覆われています。
写真では横から見た構図がほとんどで、その姿はひよこのような可愛らしい形ですね。
しかし正面から見ると、一つ目お化けのようであまり可愛くありません…。
ミジンコは単為生殖が可能なので、狭い水槽内でも爆発的に増えることがあります。
基本的に環境が良い時はメスを産み、環境が悪く危険を感じた時にはオスを産んで有性生殖を行うんだとか。
しかもあんな小さいのに、ゲノムの数は人間よりもかなり多いそうです。
何とも不思議な生き物ですね。
そもそも、水槽内のミジンコはどこからやってくるのか。
水道水に含まれているわけはありませんので、とっても不思議ですよね。
じつはミジンコは水草やソイルなどにくっついて、やってくるのです。
また、屋外の場合は卵が風に乗って飛ばされてくるケースもあるそうで…。
ミジンコは「休眠卵」という乾燥状態にも強い状態の卵を産むことができますから、そういったものが水槽内に混入すると、そこから増えて行ってしまうというわけですね。
ミジンコがいることのメリット・デメリット
それでは、ここからはいよいよ水槽内にミジンコがいることによるメリットとデメリットを見ていきましょう。
まずメリットとしては、稚魚やエビの餌になることが挙げられます。
中にはわざわざミジンコを繁殖させて餌にしている人もいるので、自然に発生したものについても餌と思えば放っておいても悪い気はしませんよね。
また、ミジンコが発生するということは、甲殻類にとって安定した水質が確保できているという目安にもなります。
ミジンコ自体も食べ残しや藻を食べてくれるので、水質浄化に役立つというメリットも。
次にデメリットについて。
これは人によって「見た目が気持ち悪い」ということが挙げられますね。
数が少なければそう目立って見えるものでもありませんが、数が増えてしまうとそこら中でピョンピョン動いているのが見えるので、少し気持ち悪く感じることもあるでしょう。
確かに単体で見ると可愛いけれど、集団になるとちょっと気持ち悪さが出てきますね…。
また、あまりにも数が増えすぎてしまうと他の生体の餌を奪ったりすることもありますし、水質が「富栄養化」してしまっている可能性もあります。
ミジンコが発生したからと言って必ずしも駆除しなければいけない!というものではありませんが、どうしても気になる人や、度を越して繁殖している場合には駆除を行いましょう。
完全な駆除は水槽をリセットして一から作るしかありませんが、数を減らすだけならばミジンコを餌とする生体の投入や、こまめな水換えで対処することができます。
ミジンコについてのまとめ
ミジンコの発生は決して悪いことではないので、焦って駆除をする必要もありません。
メリットもあるので、それを踏まえた上で駆除するかしないかを決めましょう。
ちなみに、我が家の水槽にはまだ全く姿を現してくれません…。
(ライター もんぷち)