オキアミというと想像するのは釣りの餌?鯨の餌?それとも・・・・
実は私たちの生活にもかなり身近な存在であるオキアミ。
オキアミの生態や栄養価について詳しくお話します。
オキアミってそもそも何?
オキアミは軟甲網真軟甲亜鋼ホンエビ上目オキアミ目に属する甲殻類の総称です。
形態や体長はとてもエビに似ていますが、胸肢の付け根に鰓が露出していることが特徴です。
オキアミ科とソコオキアミ科のオキアミ類の総称で、一般的に日本で流通しているのは三陸沖などで漁獲されるツノナシオキアミで、体長は15~40㎜程度。
一方ヒゲクジラ類の餌となっているのは南極海に生息するナンキョクオキアミという種類。最大で6㎝ほどにもなる大きなオキアミです。
紛らわしいですが、塩辛などの食品として売られているものはアキアミというエビの一種になります。
オキアミの特徴と生態
オキアミは外見を見るとエビ類にそっくりですが頭胸部は背甲に覆われ、腹部と尾節からなります。
胸部には8節あり、それぞれに付属肢があります。
エビの場合は前3対の脚が顎肢となって発達するのに対してオキアミの場合は第2、3節が鋏脚になったり、最後の1,2対が退化してしまったりします。
雌雄異体でオスはメスの第6胸脚の基部にある生殖孔に精胞をつけ、精子はここに侵入して一時的に貯精嚢に蓄えられます。受精卵は普通そのまま海中に放出されます。
大部分は外洋の表層から中心層を遊泳するプランクトンで、多くの種類が幼生時は表層で生活し、成熟に連れて次第に深いところへ移動する傾向にあります。
オキアミの利用
オキアミは未加工やフリーズドライ加工、または粉末で販売されます。
養殖漁業の飼料や釣り餌、観賞魚の餌などに利用されていて、魚の耐病性工場や観賞魚の体色の発色工場などの効果があり人気です。
日本では70年代に釣り餌の撒き餌として導入されたのが初めで、黒鯛やメジナ、サビキ釣りの方法に革命を起こしました。
また、タンパク質やビタミン類を多く含んでいるので魚肉ソーセージなど加工食品の原料になり、朝鮮ではキムチの発酵に使われています。
オキアミの栄養成分
オキアミの栄養成分を詳しく見ていきましょう。
生のオキアミ100g中に含まれる成分はエネルギー9.4㎉、タンパク質15.0g、脂質3.2g、炭水化物0.2g、ナトリウム420㎎、カリウム320㎎、カルシウム360㎎、リン310㎎、鉄0.8㎎、亜鉛1.0㎎、ビタミンA180㎍、ビタミンB10.15㎎、ビタミンB20.26㎎、葉酸49㎍、ビタミンC2㎎、コレステロール60㎎、銅2.3㎎、食塩相当量1.1g。他にもマンガン、亜鉛、鉄、アミノ酸、グルタミン酸等
つまり、カリウムやリン、ナトリウム、カルシウム、ビタミン類が多く含まれていることがわかります。
その中でも特に目立つのはカルビタミン類とカルシウム、銅の多さ。
カルシウムは骨や歯を丈夫にして骨粗しょう症などの予防にとても有効ですし、育ち盛りの子供達にもぜひとも当てたい成分。
他にも血液凝固や筋肉の収縮、神経の興奮抑制作用、細胞内のカルシウムの濃度の差を使用して細胞の機能調節をした利、ナトリウムを排泄して血圧上昇を防ぐ働きをしてくれます。
銅は赤血球中のヘモグロビンを作るための鉄を運ぶ役割をしています。つまり、鉄が十分にあっても銅がなければ赤血球はうまく作れず貧血になってしまうというわけ。
また、体の中の数多くの酵素にもなって、活性酸素を除去する働きをした利、骨の形成を助けたりする役割もあります。
オキアミの他にもレバーやナッツ、魚介類、大豆、ココアなどに多く含まれる成分です。
ビタミンの中でも特に多く含まれているビタミンB12は葉酸と共に赤血球の形成に大きくかかわってくる成分で、悪性の貧血を防いで神経細胞や核酸屋タンパク質を合成して修復する働きがあります。
オキアミはちっちゃいけど栄養価に優れた凄い奴なのです!
(ライター ナオ)