ポリプテルスという名前の生き物をご存知でしょうか?
微生物?熱帯魚?それとも哺乳類?
あまり聞きなれないポリプテルスの生態と飼育方法について詳しくお話します。
ポリプテルスの特徴と生態
ポリプテルスはポリプテルスに属する魚の総称で、多鰓魚(たきぎょ)という古くから呼ばれている名前もあります。
現在プリプテルス目に属するのは1科2属11種で、6亜種の計17種ほどが知られ、そのすべてがザイール、スーダン、セネガルなどの熱帯アフリカの皮や湖などの淡水域に生息しています。
古式の呼び方のように背中に小離鰓と呼ばれるひし形の背ビレが10枚前後あり、これは尾びれ部分まで並んでいて尾ビレとなる部分はありません。
細長い円形状の身体と腹背にやや扁平な頭部をもっていて、体長は30㎝程のものから1m近くになるものまでいます。
鼻腔は細長ない突起状になっていて、前方に突き出し鼻管と呼ばれています。
象牙質とエナメル質に覆われたひし形の鱗があり、これはバノイン鱗と呼ばれます。
ガノイン鱗はまるで皮のように連なり、硬く体を覆っています。
胸ビレは付け根に筋肉が発達し、四肢動物の腕のようになっていて、浮袋は2つに分かれ、肺のようにガス交換を行っています。
鰓呼吸と平行して空気呼吸を行います。
稚魚は両生類の要請のように1対の外鰓があり、成長とともに消失することから、ポリプテルスは魚類と両生類に進化する分岐点にある動物と考えられています。
昼間は物陰に潜み、夜になると泳ぎだす夜行性で、泳ぐ時は長い体をくねらせながら胸ビレをパタパタとはばたかせ、ゆっくりと泳ぎます。
食性は肉食性で昆虫、甲殻類、小魚、カエルなどを捕食します。
ポリプテルスの飼育
ポリプテルスには大型の種類と小型の種類がいて、それぞれに飼育する水槽の大きさを考慮しましょう。
小型のポリプテルスを飼う場合は幼魚の時には60㎝くらいの水槽で十分ですが、後々の事を考えると90㎝以上がベスト。大型のポリプテルを飼育する場合は180㎝くらいのサイズは必要です。
水温は25~28℃で濾過は十分にしておく必要があります。
ろ材として珊瑚を混ぜたり、他には目詰まりのしにくい多孔質ナオものを選ぶようにします。
水質は中性前後を保ち、幼魚の時は特に水質悪化に注意を払います。
水槽の底には暗めの砂を敷き、ポリプテルの色飛びを防止し、安らぎを与えましょう。
また、飛び出し事故がとても多い生き物なので、しっかりと蓋をすることも重要です。
水槽の大きさによって幼魚のサイズも変わってきますので、大きく育てたい場合には大き目の水槽を用意しましょう。
エサはアカムシを中心に、徐々にメダカ、沈下性の配合飼料などを与えます。
生き餌を与えると生長が早まり、死亡率の高い幼魚時をいち早く抜けることができます。
成魚になっても基本的には幼魚の時と飼い方は一緒です。
エサは食い飽きがこないようにメダカやドジョウなどを与えても喜びます。
基本的に混泳は不可能ですが、同種においては可能です。
幼魚でも肉食なので、混泳はできません。
ポリプテルの病気
ポリプテルはとても丈夫ですが、一度病気になってしまうと治療にはとても手間がかかります。
古代魚と呼ばれるほとんどの種について言えることですが、薬品に対しては胎生が低く、薬品を使用する場合は規定量の3分の1程度を目安にします。
病気で多いのは寄生虫です。ワイルド産のポリプテルには100%寄生していると言われる寄生虫で、ポリプティと言われます。
体表に細くて白い糸状に付着してその様子は肉眼で見てもわかります。
また、鼻先を水槽壁にぶつけていき、先端がラッパ状になってしまう病気もあります。
木工用ボンド病と言われる病気は最も致死率の高い病気で、木工用ボンドを塗ったかのように体表がこびりついてしまう病気です。
感染力も高く、早期発見がカギです。
(ライター ナオ)