タヌキのようなネコのようなイタチのような…そんな不思議な生き物、「ハクビシン」をご存知ですか?
かつては一部の地域でしか見られませんでしたが、近年では全国的に生息範囲を広げているようです。
時折「害獣」として駆除の話を聞いたりもしますが、ハクビシンはペットとして飼育することも可能なのでしょうか?
意外と可愛らしい見た目をしているので、フェレットなんかを飼う感覚で飼育できたらいいのにな、と思っている人もいるかもしれません。
そこで今回は、ハクビシンの生態やペットとしての飼育についてまとめていきたいと思います。
ハクビシンってどんな生き物?
ハクビシンはジャコウネコ科に属する動物で、主に中国大陸南部や東南アジアなどに生息しています。
日本では明治時代ごろまで生息が確認された記録が無かったため外来種ではないかとされていますが、はっきりとしたことは分かっていません。
しかし在来種だったのであればもっと早い時期に爆発的に全国的に生息範囲が広がっていたと思うので、外来種という説の方がしっくりきますね。
見た目はタヌキ、ネコ、イタチのミックスという感じですし「ジャコウ”ネコ”科」ではありますが、ハクビシンはネコの仲間ではありません。
(食肉目という大きなくくりで言えば仲間ですが…ちなみに食肉目にはイヌ科やクマ科、果てはアシカ科などまで含まれます。)
大きさは全長50~75㎝。
漢字では「白鼻心」と書くように、鼻筋に白いラインが入っているのが特徴です。
タヌキなどと似てはいますが、よく見ると体つきや顔などが全然違うので、見分けるのはそう難しくありません。
ハクビシンは夜行性であり、食性は植物食中心の雑食。
果実や野菜などを好むことから、農業を営む人にとっては厄介な害獣となります。
また民家の屋根裏などに住み着くこともあり、その場合は騒音や糞の被害などが深刻になるケースも。
動物が嫌いない人でなければ、「屋根裏で飼っている」と思えば少しは気も楽になるのでしょうが…。
やはり所かまわず排泄されたりうるさくされるのは困りますよね。
ハクビシンってペットとして飼育は可能?
結論から言ってしまえば、ハクビシンの飼育は「限りなく不可能に近い」です。
なぜならば、ハクビシンは鳥獣保護法によって無許可での捕獲や飼育が禁止されているから。
いくら野生で数が増えているとは言っても、勝手に捕まえて飼ったりしてはいけないのです。
国外からの輸入も感染症(SARSなど)の面で禁止されている動物ですから、ペットショップでもまず販売されていることは無いでしょう。
しかし場合によっては、かなり低い確率ではあるものの飼育できるケースがあります。
それは怪我をしたハクビシンや親とはぐれた幼獣(親無しでは生きられない)を保護した場合。
そういった場合は自治体に申請をすることで、飼育許可がでることも。
ただし、近年はハクビシンの獣害がかなり問題になっていますから、いくら怪我をしていて保護したと言っても飼育の許可が下りる可能性は低そうです。
さらに万が一飼育許可が下りたり奇跡的にペットショップで販売されていたとしても、懐かない、感染症の危険、飼育に関する情報の乏しさなどの多くの問題があるため、飼育は難しいと思われます。
そうは言っても飼育できる可能性が皆無なわけではありませんので、「なんとしてでもハクビシンを飼育したい!」と強く願っている人は、根気よくチャンスを待ちましょう。
ハクビシンについてのまとめ
見た目の可愛らしさだけで言えば、十分ペットとしてのポテンシャルは高そうなのに…残念です。
ペットとしての飼育は難しいですが、現在は全国的に生息しているので、野生個体を見つけて観察するチャンスはありそうですね。
もしかしたら、知らないうちにあなたの家の屋根裏に住み着いているかもしれません。
(ライター もんぷち)