イトトンボはトンボ目イトトンボ亜目に分類される昆虫の総称。

イトトンボ科、モノサシトンボ科、アオイトトンボ科、ヤマトイトトンボ科、カワトンボ科、南イトトンボ科、ハナダカトンボ科が含まれますが、日本では大型のカワトンボ科を除くことが多いと言われています。

トンボ科やヤンマ科などのトンボと比べるとイトトンボは別名を均翅亜目と言われるように、トンボの前後の翅が均等な大きさをしていて(他のトンボ類は後翅が前翅よりも幅広い)、頭部は左右に幅広く、複眼は小さいのが特徴です。腹部は細長く円筒形なので、小型の種類ではまさしく糸くずのように見えるものもいます。

 

日本には多くのイトトンボが分布していますが、南に行くほど種類が多くなっています。

以下、いくつかのイトトンボについて説明していきます。

キイトトンボ

キイイトトンボは体調が35~46㎜、本州、四国、九州にかけて分布していて、全身が鮮やかな黄色をしています。

腹部がやや太めで、平地や丘陵地、低山地の水草の良く茂った池や沼に生息しています。

都市周辺でも環境の整った池があれば普通に見ることができ、発生時期は5~10月です。

ベニイトトンボ

全身が赤いイトトノボです。

平地や丘陵地の、樹木に囲まれた水草のよく茂った池や沼に生息しています。

体調は36~43㎜で、分布は本州、四国、九州ですがどこにでもいるというわけでもなく、極地的です。

発生の時期は5~10月です。

クロイトトンボ

クロイトトンボは黒っぽく、胸部側面と腹部の先が青くなっているイトトンボです。

北海道でも見ることができるイトトンボで、分布は北海道、本州、四国、九州と全国に広がっています。

 

成熟したオスは胸の横が粉を吹いたように白くなります。

平地や丘陵地の水草の多い池などに多く生息していますが、都市周辺でも普通にみられる種類です。

発生時期は4~11月の春から秋までと長期間。

アオモンイトトンボ

アオモンイトトンボはオスの腹部第8.9節が鮮やかな空色をしていることが名前の由来となっているトンボデス。

体長は32㎜前後で、関東以南の本州から南西諸島まで見られます。

手つかずの森林には見られず、塩分を含んだ水域や汚れた水辺に生息します。

セスジイトトンボ

セスジイトトンボはオスが淡青色でメスが黄緑色、黒色の条班があり、胸部肩の黒条には淡色線が入っています。複眼の後ろの紋は大きな三角的または花弁状で、平地~丘陵地の水草の多い池沼や流れの緩やかな川で見られます。

発生時期は5~10月で、北海道から九州にかけて分布。体長は27~37㎜です。

オオイトトンボ

オオイトトンボは体長が27~42㎜で淡青色、メスは淡緑色をしているものもいて両方とも黒色の条斑があります。セスジイトトンボに似ていますが黒条に淡色線は入っていません。

平地や水草の多い池沼や湿地、水田などで見られ、西日本での生息が多い種類です。発生時期は5~10月。

モートンイトトンボ

モートンイトトンボはオスが胸部が淡黄緑色で黒色の条斑があり、腹端が鮮やかな橙黄色。

メスは全身が明るい緑色で、腹部背面に黒条があります。

 

未成熟のメスは鮮やかな黄色をしています。

体長は22~32㎜、本州、四国、九州の水田や湿地で見ることができますが、生息地は限られていると言われています。

オツネントンボ

乙年トンボはトンボ目アオイイトトンボ科オツネントンボ属に属するイトトンボで、トンボの多くがヤゴとして越冬する中で成虫のまま越冬することが知られているトンボです。

体色は淡い褐色で雌雄共に成熟過程で複眼が青くなるだけで体色の変化はありません。

 

体長はオスが37~41㎜、メスが35~41㎜で、翅には青銅色の斑紋があります。

北海道、本州、四国、九州北部に分布し、大分県が日本の分布の南限です。

(ライター ナオ)