蜂に刺されると痛いですよねえ。私も子供の頃一回頭を刺されて病院送りになったことがあります。
あの痛みは今でも憶えています。
刺されるだけでも痛いのに、蜂の中には針に毒まで持っている種類までいます。
正確に言えば、蜂の針にはすべて毒があるんですが、命に関わるような毒を持っているものは少ないということです。
「アシナガバチ」という蜂も、針には毒があります。今回はこのアシナガバチの生態や毒の強さについてご紹介してみましょう。
アシナガバチの特徴について
アシナガバチはスズメバチ科のアシナガバチ亜科に属している蜂の総称です。
日本にも11種類のアシナガバチがいて都市部にもいるので注意が必要ですね。
アシナガバチは科が同じなので生態はスズメバチに似ています。
よくケムシやアオムシなどを捕らえ、噛み砕いて巣にお持ち帰りしています。
日本のアシナガバチの巣は直径10センチほどで、「蓮の実」に似ている形で部屋は100以上という巣もあります。
幼虫が巣立つと新しい卵が中央部に生み付けられ、蜜をためる事はありません。
なんと、スズメバチから攻撃を受けて幼虫を持ち去られたり巣を破壊されてしまう事もあるそうです。
ということもあり、生態はスズメバチに似ているものの、性格はスズメバチよりもおとなしくて、アシナガバチは毒を持っているものの巣にちょっかいを加えたり素手で触れたりしなければ刺されることはないとされています。
ただし、こちらから仕掛けてこなければほとんど刺されないものの、偶然やなんらかの原因で刺される危険があります。
たとえば子供が知らずに巣をいじってしまったり、洗濯物なんかにいたアシナガバチを刺激してしまったというケースです。気をつけましょう。
アシナガバチの毒性はどれくらい?
性格はおとなしいのでそれほど怖がることはないアシナガバチの毒性についてみていきましょう。とはいえ、やはり毒をもっているので心配になりますよね。
ハチの毒針から出る毒素は、複数の物質からなる「酵素毒」というもので構成されています。
これによって痛み・腫れを起こし、血圧の低下・組織の破壊等の症状が起きることもあります。
アシナガバチの毒素は、「アミン」という痛み・かゆみを起こす成分と、血球を破壊する「低分子ペプチド類」「各種酵素」等の物質からできています。
アシナガバチの毒性そのものは、スズメバチの毒よりも弱いのですが、刺された痛みはスズメバチ以上とされているのでやはり気をつけましょう。
また、毒は弱いのですが「アナフィラキシーショック」というものがあるので注意が必要です。これは、毒の強弱には関係ありません。
「アナフィラキシーショック」はアレルギー反応のひとつで、重症になると意識がなくなることもあって、最悪の場合は命にも関わ場合もあるので、すぐに病院で検査をする必要があります。
アシナガバチの対策について
アシナガバチもほかの蜂と同じように9月〜10月ごろに被害件数が多くなります。
アシナガバチは上記のように日本の都市部にも生息していて、民家の付近にも巣を作ることもあるので、人との関係も深いものがあります。
アシナガバチの巣は,ヒトの目線より低い場所を選ぶことが多く、普通は巣の存在に気付きにくいので、作業等をしている時、偶然巣に近づいて刺されることもあるので気をつけましょう。
アシナガバチに刺されないためには、やはり当然巣に近づかないこと、実物を見つけても触れないことですね。
万が一攻撃された場合、そのまま逃げても蜂のほうが早いのでジグザグに逃げると有効とされています。また、大声を出すと返って危険なので声を出さないようにしましょう。
「アナフィラキシーショック」に注意
アシナガバチの毒についてでした。2005年-2017年の日本のハチ刺さされた人の死者は189人というデータがあります。
これはつまり、平均で年間に約19人の人が、蜂に刺されて亡くなっているということになります。このほとんどがスズメバチによる被害なんですが、アシナガバチも「アナフィラキシーショック」があるのでやはり気をつけたいですね。
ライター名:nabex