キラキラと光るタマムシ。

実は絶滅危惧種に指定されている種類がいるということをご存知でしたでしょうか?

タマムシの特徴

タマムシはコウチュウ目タマムシ上科に属する昆虫の総称です。

カミキリムシやハムシの属するハムシ上科に比較的近縁なグループで、その多くは幼虫が生木や枯死木の材を食害します。

 

上翅と下翅のサイズ、面積が大きく違わず、翅を閉じる時には下翅を折りたたむことなく上翅の下に収納します。

また、下翅を展開する必要がない分だけ、翅を開いてから飛び立つまでに要する時間も短くて済みます。

 

タマムシの光沢は構造色と呼ばれる幻の色です。

通常の色が光の反射と吸収によってあらわれるのに対し、この構造色は光が回転や散乱、屈折、干渉することによってあらわれる色で、その仕組みは液晶のモニターなどによく似ています。

日本のタマムシ

世界には15000種ほどのタマムシが生息していると言われ、そのうち200種が日本にも分布しています。

その中のオガサワラムツボシタマムシ母島亜種、ツマベニタマム聟島亜種、オガサワラムツボシタマムシ父島列島亜種、ツマベニタマムシ父島列島亜種、ツマベニタマムシ父島・母島列島亜種、ツヤヒメマルタマムシ、シラフオガサワラナガタマムシの6種類が絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定され、非常に珍しい種類とされています。

タマムシは珍しい?

絶滅が騒がれているタマムシ以外の日本で一般的なタマムシでも実は見つけ方にはいくつかのポイントがあるようで、慣れていない人には見つけにくく、珍しい昆虫と言われることもあるようです。

ヤマトタマムシを見つけるには

ヤマトタマムシの日本での分布は本州、四国、九州で、北海道には生息していません。

美しい外見を持ち、古来より珍重されてきました。

 

細長い米型の甲虫で、全体に緑色の金属光沢があり、背中に虹のような赤と緑の縦縞が入ります。

体長はメスもオスも43㎜程度。

 

天敵である鳥は色の変化を怖がる為、金属光沢により身を守っていると考えられます。

成虫は6~9月にかけて出現し、日射しの強い日にはよく活動します。

 

成虫のエサであるエノキやケヤキ、ニレ科の広葉樹の葉の回りにいて、夜間は幹の陰に潜んでいます。

警戒心が強く、動きは機敏ですが、人間が2mくらいに近づくとピタリと動きを止めて、更に近づくと飛び去ったり茂みに落下して姿を消してしまうので、とても見つけにくいタマムシです。

 

通常は10~15mの高い所を飛んでいて、7月の下旬から8月、交尾を終えると低い位置に卵を産みに降りてきます。

タマムシを見つけるのなら、このタイミングがおすすめ。真夏の暑い時期が珍しい!?タマムシを見られるタイミングなのです。ただし、産卵をしに降りてくるのはメスですから、メス限定ということになりますが。

 

成虫になってからもエノキ等の生葉を摂食しますが、寿命は1か月ほど。

卵はエノキ、イヌマキ、ナツメ、リンゴなどの樹皮の割れ目や傷跡に産み付け、幼虫は幹の奥深くに楕円形の穴を開けて食害するので表面からは見つけにくくなっています。

 

8月頃に10~20個ほど、1.2㎜位の卵を産みます。

産み付けられた卵は3週間くらいで幼虫になり、固い木の中で2年程を過ごし、木の入り口を嚙み砕いて外に出てきます。

 

もう一つのタイミングはここでしょうか。

大体タマムシが産卵に降りてきた場所辺りを覚えておくと、2年後に羽化したばかりのタマムシが木から出てくるのが見られるかもしれません。

クズノチビタマムシを見つけるには

クズノチビタマムシはコウチュウ目タマムシ科に属する昆虫のうち、いわゆるチビタマムシというとても小さなタマムシの一種で本州、四国、九州、佐渡、屋久島、種子島に分布し、国外では台湾と中国の中南部などにも分布しています。

 

体長は3~4㎜程しかありませんが、背中には金属光沢があります。

全体はやや扁平で倒卵形。

頭は幅広く、両肩はやや尖っています。

 

歩脚は短くて胴体の下に隠れ、全身がやや鈍い銅色で多少金属光沢あります。

頭部と前胸の背面には金色の毛が密生しているのが特徴で、背中を覆う前翅には白っぽい不明瞭な波状の斑紋があります。

 

クズの葉に止まっていいて、葉を食べる時には必ず葉の縁から食べ始め、刃の中央に向かってジグザグと進みながら食べるので、食痕は虫の体の幅ほどの溝が葉の縁から内側に向かって入り込むような形になっています。

 

クズノチビタマムシはこの食痕を頼りに探すのがおすすめです。ただし、万が一見つけても慎重に捕まえなければ、一旦落としてしまうと、クズの生えている根元付近から探すことはほぼ不可能です。

(ライター ナオ)