キンカチョウの特徴と生態

キンカチョウはスズメ目カエデチョウ科に分類される鳥の一種です。

オーストラリア、インドネシア、東ティモールの比較的乾燥した地域に生息していて、プレルトリコやポルトガル、アメリカ合衆国などには移入しています。

体長は10~11㎝、嘴は光沢がある赤褐色で、頭から背中にかけては灰色でくちばしの周囲と頬に黒い線が入ります。

尾は白と黒のドット模様。

 

雌雄で模様が違っていて、オスは喉から上胸部にかけて特徴的な細かいゼブラ模様があり、頬がオレンジ色。下胸部には黒帯があります。嘴と脚のオレンジ色を比べるとメスよりもオスの方が濃い色をしています。

 

オスの模様から、英名ではオスのことをゼブラフィンチと呼んだりもします。

スズメ目なので日本のスズメに近い生態をしていて、群れで移動し、地面に落ちた草の種子、穀物を主食として昆虫なども食べます。

キンカチョウの鳴き声

キンカチョウはネコのような声で鳴くことが知られています。

鳥ですがミャアミャアと鳴きます。

決して静かな鳥ではありませんが、その声が可愛らしく飼育しているという人も沢山います。

キンカチョウの品種

キンカチョウは日本では明治期に初めて輸入され、家禽化されました。

歴史の長い愛玩鳥で、現在50種類以上の色変わり品種が作出されています。

野生種としては2つの亜種に分かれ、ティモールキンカチョウとクリミミキンカチョウがいます。

ティモールキンカチョウはインドネシアの小スンダ列島のロンボク島からセルマタ島およびオーストラリア大陸沿岸部に分布しています。

 

クリミミキンカチョウはオーストラリア大陸全土に分布しています。

クリミミキンカチョウのオスは喉から上胸部に見られるゼブラ模様がなく、下胸部の黒帯も小さいのが特徴で体長もティモールキンカチョウより小さくなっています。

 

家禽種としては、もともとの地色の黒や茶色を薄めていく品種がイザベラと言われます

全体的にクリーム系に薄められた品種はチェストナットフランクホワイトと言われ、薄いですがしっかりと頬のオレンジと黒い涙のような模様が残ります。

ブラックチークは頬のオレンジ色が黒くなったもの。オスの脇腹付近に入るドットもしっかりと残してあります。

 

ライトバックは腹の茶色味がなくなり、白くなると共に背中の灰色も透き通るような灰色で薄くなっています。頬や脇の水玉模様にも赤味がなくなり、ベージュのようになり、涙模様は濃く出ます。

ペンギンは翅の白い縁取りの目立つタイプで、縁から更に霜降り上に白くなり、全体的に淡くなるタイプがあります。

フォーンはノーマルから灰色が薄れて茶系の色が残った品種です。完全に灰色や黒がなくなったわけではなく、模様は現れます。シナモンなどという別の名前で売られていることもあります。

キンカチョウの飼育

キンカチョウは初めて鳥を飼育する人でも比較的飼育がしやすい鳥と言われています。

水浴び用の水を用意することと、寒さに弱いので秋口から真冬にかけては入念な温度管理に気をつければ、他に難しいことはありません。

 

ただひとつ長年、素引きだけは難しいと言われてきました。

産卵はしますが抱卵を行わないことが多いのでジュウシマツ等が仮親として使用され繁殖させてきたという経緯があるのです。

しかし、現在ではヨーロッパから輸入された系統の影響で自育キンカチョウという名前がつくほど素引きも一般的になってきています。

 

ブンチョウやジュウシマツのようにて則に育てることも可能ですが、そのためにはヒナの頃から飼う必要があり、嘴が小さいヒナのために給餌器具を用意する必要が出てきます。

手乗りの鳥がミャーミャー鳴いていたら可愛いかもしれませんね。

個人的にはキンカチョウの鳴き声にネコが反応するのかどうか、が気になるところです。

(ライター ナオ)