チャップリンの映画「ライムライト」では、チャップリンが見事な「ノミ芸」を披露しています。
ノミがまるでペットのように、チャップリンに懐き、両手の間をジャンプして行き来するパントマイムは、一瞬ノミに憧れを持ってしまうほど(笑)
ちょっと待った!!!(と過去の自分に言いたい)
ノミの生態と寿命に迫ります!
ノミの特徴と生態
ノミとは節足動物門昆虫綱ノミ目に属する昆虫の総称です。
ダニでもシラミでも蚊でもないですが、噛まれると以上に痒い生物!
体長は1~9㎜程度。日本全土に生息していますが、世界中を見渡せば16科、200属、約1800種類ものノミが存在しています。
日本では、ヒトノミは人につくノミとしてかつてはいたるところで見られましたが、衛生面が向上することによって、最近ではめったに見られなくなりました。
一方でネコノミやイヌノミなど、ペットに寄生するノミは現在でも数多く生存していて、そのノミが、人間をも吸血するいやらしい存在なのです。
ノミは左右に扁平で表面は硬く、うっすらと感覚網が生えています。
宿主(吸血するために宿っている生物のこと)の体を移動しやすいような流線型をしていて、吸血に適した針のような口先をしています。
翅はなく、飛ぶことはできない分後ろ脚が発達していて、高い脚力を持っています。
その驚異の脚力は自分の体調の60倍の高さと100倍の距離を軽々と跳んでしまうほど。
跳ぶ時には宿主にしがみ付きやすいように、各脚をばらばらにして跳びます。
宿主の存在は二酸化炭素や体温、音などで感知することができ、宿主から宿主への移動も容易に行います。
ただ、宿主がいない場合は数日間で死んでしまいます。
完全変態で卵は1週間以内に孵化し、幼虫になります。
脱皮を繰り返し、3齢で蛹を形成します。
成虫になってからもしばらくは繭の中で成長し、繭を出ると48時間以内に交尾をし、産卵を始めます。メスが一度に産む卵の数は20~50個ほど。
ノミたちの不思議な共生関係
色々な生物に寄生するノミがいるのですが、ある特定の生物に寄生するノミたちは、他の生物の吸血はできたとしても、産卵することはできないという特殊な共生関係を持っているものもいます。
ノミの活動期間
ノミの成虫が活発に活動するのにはある程度の気温が必要で、その温度は13℃が目安と言われています。
日本では5~11月がそれに当てはまるので、半年以上はノミたちが元気に活動している言うことになるのです。
ノミに噛まれるとどうなる?
ノミは通常30㎝ほどのジャンプ力で膝下を中心に狙ってきます。
宿主に寄生してからは8分以内に吸血を始めると言われ、一か所刺したら、また次の場所に移動し、周辺を集中的に噛みまくります。
この結果、とてつもない痒みを伴い、その痒みは1週間から1か月ほど持続することになるのです。
ノミの寿命
ノミの寿命は生活環境がきちんと整っていれば、3~4週間ほどと言われています。
成虫になってからの寿命は2週間ほどなので、それほど長寿という訳ではありませんが、成虫の間中、一日に20~50個の卵を産み続けるので、短い一生の間には400~1000個の卵を産んで次世代を残しているということになります。
種全体を見ると、結果的にはものすごい勢いで繁殖していくということになるわけです。
ノミの生態と寿命に関するまとめ
ノミとは節足動物門昆虫綱ノミ目に属する昆虫の総称。
体長は1~9㎜程度。日本全土に生息している。
世界には16科、200属、約1800種類ものノミが存在する。
日本ではヒトにつくノミは減ったが、動物につくノミは健在。
噛まれると痒みを伴い、1週間以上持続する。
ノミの寿命は3~4週間ほど。成虫になってからの寿命は2週間ほど。
(ライター ナオ)