氷の上を腹ですべるペンギンや、やや大儀そうに歩くペンギン、餌となる魚を頭から丸呑みする姿は日本の水族館で見ることができます。
ペンギンの食べ物は魚以外にもあるのでしょうか?
ペンギンの生息地
北半球に住む人間からすると寒冷地帯というと北極を思い浮かべ、水族館などで氷の上を滑るペンギンの様子から、ペンギンは北極などに生息しているのではないかと思うかもしれません。しかしペンギンが北極に棲む生物だったら、ホッキョクグマなどに食べられてしまい、とっくに地球上から姿を消してしまっているでしょう。
ペンギンの繁殖地は南半球に多く、南極を中心としたブラジルの海岸線やオーストラリア、ニュージーランドなどが主な繁殖地でもあります。
繁殖地となるのは陸地ですが、ペンギンはだいたい海の中を泳いでいるので、ペンギンの個体数や生態は明らかになっていない事も多いようです。
日本の水族館でもおなじみのエンペラーペンギンは、極端に寒さに強い稀なペンギンです。
皇帝ペンギンともいわれるエンペラーペンギンは体長も一番大きく、背の高さは1m~1,2mほどです。
大別するとペンギン科には6属18種ほどがいます。
エンペラー属、アデリー属、頭に飾りがついているマカロニ属、キガシラ属、コガタ属、中型のフンボルト属です。
この中で個体数が多いようなのは、南極付近に繁殖地をもつとされている、マカロニやヒゲペンギンだそうです。
マカロニペンギンは南極付近に生息しているようですが、時期により生息域をかえるペンギンのようです。
ペンギンの繁殖地
ペンギンの生活が観察できるのは陸上にいる時なので、繁殖期であることが多いです。
9~11月になると氷の上でコロニーと呼ばれるものを作ります。産卵は11月頃に行われることが多く、抱卵期間は30~40日くらいです。
抱卵しないと卵は凍ってしまいます。孵化するとオスとメスが交代で面倒をみたりします。
種類により日数は異なりますが、だいたいこのような生活を送っているようです。ペンギンの子育てに関し、エンペラーペンギンのヒナを奪うという話があります。
エンペラーペンギンは自分のヒナを何等かの理由で失った時に、他のヒナを奪おうとします。
しかし、奪ったヒナを最後まで育てるかというとそうでもなく、そのうち放り出してしまいます。
また、ペンギンがヒナに与えるミルクに、ペンギンミルクといわれているものがあります。
エンペラーペンギンのオスは食道あたりからたんぱく質や脂肪分が豊富な分泌物を出してヒナに与えます。
エンペラーペンギンのオスは10日ほど、この分泌物をヒナに与えます。
エンペラーペンギンは外気温がマイナス50度にもなるほぼ極地点で繁殖を行う、稀な鳥類です。
ペンギンの体の秘密
ペンギンたちは体長や大きさ、冠羽のあるなしにかかわらず、ぼてっとした丸みのある体をしています。
やせ細ったペンギンはいません。これはペンギンが肥満しているわけではなく、極寒で暮らし海を泳ぐための厚い脂肪分があるからです。
羽毛は一年に一度生え変わります。
ペンギンたちは過酷な外気温の中にさらされるため、特有の熱交換システムを体に備えています。
冷え切った末端の血液は静脈によって体の奥へ運ばれ、頭部の暖かい動脈血と絡みつくように接する事で体温の低下をなるべく防いでいます。
足やフリッパーとも呼ばれる手のような翼のなごりのような部位は末端なので、冷えています。
それだけでは体温維持に足りないので、ペンギンは呼吸によって奪われる熱や水分を抑えるために、頭にも特別な血管の仕組みをもち、更に鼻の中にも対向熱交換といわれる仕組みを備えているのです。
ペンギンは鼻水のようなものを垂らしている時があります。
あれも海に生きるものとしては欠かせないもので、塩類腺を通して余分な塩分を排出しているのです。
ペンギンの外見はほのぼのとしているように見えますが、目つきを見るとちょっと疲れたような顔をしています。
あれは恐らく極寒地で暮らす厳しさを目にたたえているのでしょう。
というのは冗談ですが、ペンギンは過酷な環境に生きる竜状突起のなごりを残した海鳥なのです。
ペンギンの食べ物と海流
繁殖地の周辺の海流から、ペンギンの食べ物や餌を知る事ができます。
ペンギンはその一生の3分の2を海で過ごします。
ペンギンは泳ぐのが得意でその速度も速いですね。
水の抵抗を排したかのようなペンギンの泳ぎは、水族館などでも見ることができます。
そのため、捕食も海の中で行います。地球上には様々な海流が絶えず動いています。
その中でもペンギンの食べ物と密接な関係があるのは大西洋の寒流「ベンゲラ海流」、インド洋に流れ込む「西オーストラリア海流」太平洋の「フンボルト海流」です。
我々が日常的に目にする地図は日本を中心としたものですが、南極から流れてくる海流の流れを見る時は、インド洋付近を中央においた地図を思い浮かべてみると分かりやすいかも知れません。
ベンゲラ海流は南極付近からアフリカ大陸の南付近まで流れる海流です。西オーストラリア海流は、南極からオーストラリアやニュージーランド付近に北西方向に流れる海流です。
フンボルト海流はペルー海流ともいわれ、南極付近から南アメリカ大陸のすぐそばを流れ、アフリカ大陸方向に流れる強い海流です。
ベンゲラ海流が流れてくる付近を繁殖地としているのは、フンボルトペンギンやケープペンギンたちです。海流には風も関連しています。
ペンギンは餌である魚を頭から丸呑みするイメージがありますが、そうでもないようです。
ペンギンの食べ物について
ペンギンたちが好む食べ物は種類により様々です。
マカロニ属のイワトビペンギンは、オキアミなどを主に食べ、時にはイカも食べるようです。
一番小さなペンギンの仲間であるコガタペンギンはイカやタコなどの頭足類を食べます。
魚を主な食べ物としているのは、エンペラーペンギンやフンボルトペンギンたちです。
ほぼ南極付近に生息し、繁殖を南極大陸で行うエンペラーペンギンは魚類を好み、イカやタコも食べます。
南米チリ沿岸の海流の影響を受けるフンボルトペンギンは外洋にいる魚類、イワシなどを食べるようです。
南極付近に生息するとみられるアデリー属のヒゲペンギンは、活発な性質だそうですが、オキアミなどを食べています。
南極を中心とした海中にはペンギンたちの食べ物になっている、ナンキョクオキアミが豊富です。
地球の自転に伴い、南極点からは反時計回りの強い海流がうまれます。
その海流と貿易風の影響によって、海の水は太平洋、大西洋、インド洋などに流れていきます。南極付近の海は栄養豊富です。
それより北方、低緯度になっていくにつれ、温暖な海流とぶつかり栄養豊富な海水は徐々に届かなくなります。
このあたりを南極収束線とよび、動物性たんぱく質の数は陸上のそれより多いそうです。
ペンギンの食べ物について
ペンギンはイワシなどの魚も食べますし、オキアミやイカやタコなどの頭足類も食べます。
繁殖地によって異なる餌を得ています。海を泳ぎ回るペンギンたちの天敵は、オットセイやオタリアなどの海獣たちです。
ペンギンがなぜ南極付近あたりにいるかというと、天敵が少ないからだともいわれますが、豊富な栄養がある南極の海水が決め手となるのかもしれません。
水族館などで人から与えられる餌の魚を食べているペンギンは、水族館においてペンギンに与えられた役割をこなしているようでもあり、ペンギンの一つの面に過ぎないのかも知れません。
また、ペンギンは歩くのがとてつもなく遅い気がしますが、そこまで歩けないわけではありません。時速2キロほどだそうです。
(ライター:おもち)