野生のイタチをみたことがありますか?

農村地帯では時々目にするイタチの姿ですが、彼らの天敵は何なのでしょう?

イタチの特徴と生態

イタチはネコ目イヌ亜目クマ下目イタチ科イタチ属に分類される哺乳類でオコジョやイイズナ、ミンク、ヒホンイタチなどがこのイタチ属に分類されます。

ペットとして人気のあるフェレットもイタチ属です。

日本で一般にイタチというと日本の固有種であるニホンイタチのことを指します。

ニホンイタチは本州、四国、九州などに自然分布し、ネズミの駆除を目的として伊豆諸島等の島々には人為的に移入されました。

 

北海道の場合は本島に偶然に移入したことがわかっています。

オスはメスよりも大きく、体長は27~37㎝、メスは16~25㎝です。

 

毛色は個体によって様々で、鼻筋の周辺は暗褐色をしています。

冬眠をせず1年中活動し、昼夜活動しています。

 

繁殖期以外は基本的に単独で行動し、本種の手足の指の間には水かきもあり、泳ぐことも出来ます。

冬の寒い時期にも水に入ったり潜ったりすることもあり、活動域は皮や湖沼、湿地、沢などの水辺です。

 

森林地帯で見かけることもあり、樹木に登ります。

用心深い性格で後肢で2本立ちして周囲を見回すことがあり、この行動を目陰といいます。

巣は他の動物の掘った穴や隙間を使用し、メスの活動領域はオスの活動領域より狭く、オスの活動領域は複数のスの活動領域にまたがっています。

 

食性は主に動物食、鼠、鳥、両生類、カニ、サワガニ、昆虫類、ミミズ、動物の死体などですが、ヤマグワはサクラ、ヤマブドウ、マタタビの実などの植物質のものも食べます。

繁殖期は九州では年に2回ほど、1回の出産で1~8匹の子供を生みますが、北海道では年に1回の繁殖です。

 

妊娠期間は1か月ほどで、子育てはメスだけが行います。

生まれたばかりの子イタチは体毛が薄く、視力は無い状態です。

 

目は5週間目でようやく見えるようになり、離乳期は生後8~10週目までで、10週目頃からは幼獣自身でエサを捕食できるようになり、秋には親元を離れ、1年で性成熟して繁殖が可能になります。

イタチの天敵

イタチの天敵は猛禽類やキツネです。時には野良猫も天敵になります。

また、イタチの種類の中では、チョウセンイタチが分布を広げていて、ニホンイタチはチョウセンイタチとの生存競争に負け、数が減少していると考えられています。

チョウセンイタチの侵入

チョウセンイタチはもともと対馬のみに自然分布していましたが、1949年頃に九州に侵入した個体が拡散したと考えられていますが、それ以前に毛皮の生産目的で各地で養殖がおこなわれていた為という説もあり、詳しいことはわかっていません。

 

チョウセンイタチは平野部などの人の生活地域での生息が多く、山岳地帯の急斜面の地形はチョウセンイタチの侵略を妨げるものだと言われています。

 

人が山岳地帯を切り崩し、人の暮らしやすい緩やかな地形にすればするほど、チョウセンイタチはそこに侵入し、生息することが出来てしまいます。そのため、日本では現在。チョウセンイタチを特定外来生物として扱っています。

イタチの生態と天敵に関するまとめ

イタチはネコ目イヌ亜目クマ下目イタチ科イタチ属に分類される哺乳類

ニホンイタチは本州、四国、九州などに自然分布、ネズミの駆除を目的として伊豆諸島等の島に人為的に移入、北海道へは偶然に移入された。

 

イタチの天敵は猛禽類やキツネ、時に野良猫。

イタチは生まれたばかりの時は視力がないが、生後1年で性成熟し、繁殖が可能になる。

 

チョウセンイタチが生息域を広げることで、ニホンイタチの数は減少している。

チョウセンイタチは特定外来生物に指定されている。

(ライター ナオ)