美しく優雅に泳ぐ「錦鯉」。

何となく寿命が長そうなイメージがありますが、実際に寿命はどのくらいなのか、知らないという人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は錦鯉の生態や寿命などについてまとめていきたいと思います。

錦鯉の生態・寿命

錦鯉は、観賞用に品種改良された色鮮やかな鯉です。

ですので、基本的には「野生の錦鯉」なんてものは存在しません。

あれ、でも普通に自然の池や川で見かけたこともあるけど…という人もいるかもしれませんね。

それは最後まで飼いきれずに池や川に放流された個体が野生化してしまっているのです。

 

大きさや体型は通常の鯉と変わりなく、体長は飼育環境により数十センチから最大90㎝近くまで大きくなります。

そして錦鯉の特徴と言えば何と言っても鮮やかな色彩と模様。

 

模様によっていくつもの品種に分かれており、ものによっては高値で取引されることも。

品評会も行われており、そこで高評価を得た個体は数千万円と言う超高額が付くこともあるそうです。

錦鯉一匹で家が買える…恐ろしい値段ですね。

 

珍しい野生動物なんかでも、ここまでの高値が付く生き物ってなかなかいないんじゃないでしょうか。

食性は鯉と同じく雑食で、小魚、魚の卵、水草、カエル、甲殻類、貝類など、口に入るものは何でも食べてしまいます。

飼育下では、栄養面や水質の維持を考えて専用の餌などを与えることが多いようです。

 

寿命は最低でも20年~30年。

飼育環境が良く健康な錦鯉ならば、70年近く生きることもあるそうです。

 

「長寿」というイメージに偽りなしですね。

ペットとして飼育するならば、きちんと最期まで見届けられるか、というのも考慮しておかなければなりません。

「定年後の趣味で錦鯉を…」なんてのは、ギリギリアウトかも…。

錦鯉のルーツや飼育について

錦鯉のルーツは、19世紀の新潟県小千谷市と旧山古志村。

色が鮮やかな一部の鯉を捕まえて育てたのが始まりだと言われています。

 

元々それらの地域では休耕期である冬の間、水田に鯉を放流して育て、非常食とする習慣がありました。

裕福で食料に余裕のある家では、色の鮮やかな個体を交配させてより美しい鯉を作ることを趣味としている人も多く、それが現在の「錦鯉」になったのです。

 

主な品種は、白い肌に赤い模様の「紅白」、白い肌に赤と黒の模様の「大正三色」、黒い肌に赤と白の模様の「昭和三色」の三つ。

基本的に鯉と同じく頑丈な魚なので、環境さえ整っていれば飼育はそう難しくありません。

 

ただし、かなり大きくなるためそれなりの広さの水槽や池が必要になることや、屋外飼育の場合は夏や冬に水温を保つために1m~1.5mの深さを確保するのが望ましいとされています。

また、自然界において色の派手な錦鯉は格好の捕食対象となってしまうため、襲われないための工夫が必要です。

天敵はサギ、ネコ、アライグマ、アナグマ、カワセミ、キツネ、猛禽類など多岐に渡るので、場合によっては屋根や木の枝で上空からの視界を遮ったり、水深を深くしたり、網やワイヤーで囲ったりと様々な対策をしなければならないかもしれません。

錦鯉が「お金持ちの庭にいる」というイメージが強いのは、「広くて深い池」「野生動物から守れる環境」が必須だからかもしれません。

 

実際に錦鯉自体は数百円から買えるので、そんなに高いペットというわけではないんです。

もちろん、品評会に出ているような錦鯉は、数十万から数千万という高額のものもいますけどね。

錦鯉についてのまとめ

錦鯉の最高取引価格はなんと4000万円。

目玉が飛び出るような金額ですが、品評会では1000万クラスの錦鯉はゴロゴロいるそうです…。

一体、どんな人がそんな錦鯉を買って(飼って)いるのか気になりますね。

(ライター もんぷち)