きれいな絹糸を作ってくれる昆虫として有名な「蚕」。

絹の美しさは、昔から世界中の人々に愛され、蚕もまた、長い間、人間とともに歩んできました。

今回はその蚕の生態や飼育方法などについてまとめました。

野生の蚕はいない!

蚕は「家蚕」とも呼ばれ、完全に家畜化された唯一の動物です。

人の管理がなければ、生きていくことができず、野外の桑の木にとまらせたとしても、自分で餌を探すことすらできません。

野生回帰能力がないので、餌が無くなっても逃げ出すことはありません。

また、力が弱く自力で樹木にとどまることができないので、風などで簡単に地面に落ちてしまったり、簡単に鳥などに捕食されたりし、あっという間に全滅してしまうでしょう。成虫には羽がありますが、飛ぶための力が退化しているので、ほとんど飛ぶことはできません。

 

野生回帰能力は失ってしまいましたが、その分警戒心がなく、人から逃げたりしないので、愛着がわきやすく、ペットして女性からの人気も高まっています。

蚕を入手するには?

野生の蚕はいないので、蚕を新しく飼育したい場合は、養蚕をしている人から分けてもらうか、どこかから購入しないといけません。

 

蚕専門の通信販売があり、こちらを利用するのが、最も手軽に始められそうです。

卵や蚕などの状態から選び、購入することができます。

 

蚕のための人工の餌も売っているので、初めての飼育でも、スムーズに始めることができそうです。

また、ペットショップで爬虫類の餌としても売られているので、見てから購入したい人は、ペットショップに足を運ぶのもおすすめです。

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蚕を飼育する時に準備するもの

蚕を飼育するに当たって準備するものはさほどありません。菓子箱のような蓋がある浅い箱、キッチンペーパー、まぶし、餌だけです。

まぶしとは、蚕が繭になる際に使う仕切りのことです。

 

蚕を1匹ずつ区切って入れてあげるもので、4cm×5cm位の仕切りが必要です。

また、蚕を飼育するには、25度くらいの気温が目安です。

 

春などに飼育する場合は、保温が必要になるので、電気スタンドを用意して、適切な温度になるように調節しましょう。

蚕の飼育セットを購入すると、飼育箱、まぶし、人工餌などがセットになっていますので、簡単に飼育を始めることができます。

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蚕は何を食べるの?

蚕の餌は桑の葉です。近くに桑畑がある人は、農家さんに分けてもらえるかお願いしてみましょう。

蚕は農薬に弱いので、葉を分けてもらうときは、葉に農薬がついているかを確認しましょう。

 

桑の葉は、しばらく水につけ水洗いをしてから、水を切り、ビニール袋などに入れると冷蔵庫で1週間ほど保管することができます。

最近では、蚕のための人工の餌が開発されているので、桑の葉が手に入らないときは人工飼料を利用しましょう。

ただし、一度桑の葉を食べた蚕は、人工飼料を食べませんので、注意が必要です。

蚕の成長過程と寿命

蚕は卵から孵化してから1~2ヶ月ほどで寿命を終えます。

長期の飼育はできませんが、幼虫から成虫へとなる過程を見ることができます。

蚕は卵から孵ると4回の脱皮を繰り返し、繭を作ります。

 

脱皮を行う時期を「眠」といい、眠になるまでの期間を「齢」と呼び、脱皮を繰り返すたびに、1眠~4眠、1齢~5齢と呼び名が変わっていきます。

眠の時期は、餌を食べなくなり、頭を上げた状態で動かなくなります。脱皮の準備をしているので、触らないようにしましょう。

 

5齢になった後は、繭をつくり蛹になります。

蛹になって2週間ほどで成虫として繭から出てきます。

成虫は、食事をすることもなく、オスとメスが揃うと交尾をし、メスは産卵をします。成虫になってから1週間ほどで、その生涯を終えます。

まとめ

蚕の飼育は餌の交換さえしっかりできれば意外と簡単です。

長期間にわたるものでもないので、興味がある人は、一度チャレンジしてはいかがでしょうか。お子さんと挑戦するのも良い思い出になりますよ。

ライター:さくら

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