牛は、哺乳綱・鯨偶蹄目・ウシ科・ウシ亜科の動物です。ここでは牛とその寿命について紹介します。

牛の生態

牛は、オーロックス(絶滅種)を起源にもつ動物で、新石器時代に西アジアで家畜化されたと考えられています。

ウシ亜科には、家畜種のウシのほかに、アフリカスイギュウ属、アジアスイギュウ属、ウシ属、バイソン属などがいます。

牛と比較的近縁の動物としては、同じウシ亜目のキリン類やシカ類、同じウシ科にはヤギ、ヒツジ、レイヨウなどがいます。

乳牛として有名なホルスタインは、とても大型の牛で、メスの標準は体高141センチ、体重650キロ。

オスで体高160センチ、体重1100キロになります。

 

最大級のものだと、メスで体高190センチ、オスで体高195センチ、体重1.13トンです。

牛は4つの胃をもち、一度飲みこんだ食べ物を胃から口中に戻して再び噛みます。

 

この行動を「反芻(はんすう)」といいます。実際には第4胃のみが本来の胃で、胃液が分泌されます。

第1胃から第3胃までは、食道が変化したもので、草の繊維を分解する細菌類、原虫類が常在し、繊維の消化を助けます。

 

動物性タンパク質として細菌類、原虫類も消化されます。

牛の歯は、雄牛の場合は上顎に12本、下顎に20本で、上顎に切歯はありません。

 

そのため、草を食べるときには、長い舌で巻き取って口に運びます。

鼻には、個体ごとに異なる鼻紋があり、個体の識別に利用されます。

牛の寿命

牛の寿命は、およそ20年です。

また、家畜としての寿命は、その用途によって異なります。

肉用牛

肉用牛の寿命は、と殺されるまでの30ヵ月です。

産まれてからの6ヵ月間は哺育期で、一頭ずつ小さな木箱で飼育されます。

 

2~6ヵ月ほどで無血去勢(ざ滅)、観血去勢(切開)、壊死去勢(ゴムリング)をおこないます。

生後9ヵ月は離乳期です。市場に出荷されて、肥育農家に売却されます。

 

売却された後は、除角・焼印をおこない、ほとんどの時間を牛舎ですごします。

そして、2歳半になると食肉処理工場に出荷されて、と畜されます。

乳用牛

乳用牛は、乳量が少なくなり生産性がおちる生後5、6年目に出荷されて、と殺されます。

乳用に飼育される牛は、生後13~16ヵ月で初めての人工授精がおこなわれます。

 

10ヵ月の妊娠期間を経て、出産、搾乳がはじまります。

より効率よく乳を搾り取るために、出産後1~2ヵ月で次の人工授精がおこなわれます。

 

メスの牛は、人工授精→妊娠・出産→搾乳→人工授精→妊娠・出産を繰り返します。

そして5、6年目に出荷されて、と畜されます。

牛のその他雑学

2017年7月にアメリカ・テキサス州で、「KISS」のジーン・シモンズにそっくりなウシが産まれ話題となりました。

このジニーと名付けられた牛は、ステーキハウス直営の牧場でステーキになるべく産まれましたが、ジーン・シモンズに似すぎているため、急遽、ステーキハウスのマスコットキャラに任命され、その寿命を大きく延ばすこととなりました(肉用牛の寿命は通常30ヵ月、牛の寿命はおよそ20年です)。

▼ジーン・シモンズのツイッター

▼ニュースソース

https://www.thesun.co.uk/news/4132443/calf-texas-looks-like-kiss-gene-simmons/amp/

牛のまとめ

以上、牛とその寿命についていかがでしたか?

ステーキハウスで産まれた牛が、ロックスターに似ているという理由でステーキにされるのを回避したというのは、微笑ましくもなかなかきわどい話です。

 

ジーン・シモンズさんは、日本のアニメが「KISS」のコスプレをしたときにもツイッターで反応するくらい気さくな人なので、そのこともプラスに働きました。

ただ、ステーキハウスの広報活動をすることが、牛にとって幸せなのかは……難しいところですよね。

(ライター ジュン)