日本に生息しているサルと言えば「ニホンザル」。

野生のものを見かけることもありますし、動物園のみならず様々な場所で見ることができますね。

日本人にとって、昔からとても馴染みのある動物です。

 

しかしそんなニホンザルについても、意外と知らないことがたくさんありますよね。

そこで今回は、ニホンザルの生態や寿命、その他雑学などについてまとめてみました。

ニホンザルの生態・寿命

ニホンザルはその名の通り、日本にのみ生息しているサルで、人間を除いたサル目の中では最も北に生息しています。

その中でも、本州に生息している「ホンドザル」、屋久島に生息している「ヤクシマザル」とに分けられます。

体長は45~60㎝ほど

褐色の毛に赤い顔とお尻が特徴です。

常緑広葉樹林や落葉広葉樹林に生息し、オスとメスが複数混ざった数十頭~百頭以上の群れを作ります。

 

ただし、いつでも群れで行動しているというわけではありません。

群れは基本的に母系集団であり、成長したオスは群れから独立して別の群れへ入ったりもします。

 

じつは私、最近家の近所で野生のニホンザルを見かけたんです。

このあたりにニホンザルがいるというのは聞いたことがなかったのでびっくりしたのですが、もしかすると単独行動中のオスだったのかもしれませんね。

 

食性は人間と同じく雑食ですが、植物食の傾向が強いです。

主に果物、植物の花や種子、キノコ、昆虫などを食べますが、時には鳥を捕食することなどもあるようです。

 

サルと言えばバナナというイメージが強いので、鳥などを食べることがあるのはちょっとショッキングというか、意外な感じがしますね。

寿命は野生下で20~30年、飼育下では35年以上生きることもあります。

 

最近ではテレビ番組などでもかわいいニホンザルの子猿が取り上げられることが多くなり、ペットとして飼育する人も増えてきました。

しかしかなり長い付き合いになるので、飼育する前によく考えましょう。

 

ちなみに、ニホンザルの購入価格は平均で60万円程、飼育には許可が必要です。

飼育するための条件として「合法的に手に入れたもの」であることが必要ですので、野生の個体を捕まえてくる、なんてことは絶対にしてはいけません。

ニホンザルの豆知識

ここからは、知っている人が少ないであろう、ニホンザルについての豆知識を紹介していきたいと思います。

オナガザル科なのに尾が短い

じつはニホンザルは「オナガザル科」に属しているのですが…尻尾はかなり短いですよね。

元々ニホンザルは、大陸と日本が陸続きだった時代にやってきたオナガザルの仲間なんです。

 

当然、当初は尻尾も長かったのでしょう。

しかし、日本の気候(寒さ)に適応するために、尻尾が短くなっていったと言われています。

(アレンの法則と言って、寒い地域に暮らす生き物は体温維持のために体の表面積を小さくする=尻尾・足・耳などが短くなると言われています。)

それに加えて、樹上ではなく地上で生活をするようになったため、樹上生活ではバランスをとったり移動したりするのに必要な尻尾が、不要になったとも考えられているのです。

「ボスザル」は存在しない?

ニホンザルと言えば、群れのリーダーである「ボスザル」の存在がありますよね。

しかし、最近ではボスザルは存在しない、という説が出てきています。

人が良く目にする猿の群れと言えば、動物園や公園などで餌付けされたものがほとんどですよね。

そういった、餌をめぐって争う場面が多くなる場合にのみ、「ボスザル」と言った存在が作られるというのです。

自然下で餌を取り合う必要のない環境にいる群れの場合、力による支配ではなく「仲間意識」で集団が形成されているんだとか。

ニホンザルは湯冷めしない

温泉に入ることで世界的に有名なニホンザルですが、疑問なのが「湯冷めしないのか?」ということ。

人間なら、あんな雪が降る中温泉から上がって裸で過ごしたら、あっという間に湯冷めして体調を崩してしまいますよね。

 

しかし、ニホンザルの毛には油分が多く、ブルブルと体を振って水滴を飛ばしてしまえば、すぐに乾きます。

それに加えて汗腺も少なく、放出される熱も少なくて済み、結果として温泉から出ても湯冷めをしないんだそうです。

ただし、子猿や年を取ったサルは、毛の油分が少なく湯冷めしてしまうことも…。

ニホンザルについてのまとめ

芸を仕込んだりして、とても頭が良く人間に懐いてくれそうなイメージの強いニホンザル。

しかし、野生の個体を見つけても、安易に近づいたり餌をやったりしてはいけません。

 

基本的に向こうから近づいてくる事はありませんが、人に慣れてしまった個体は弱い子供や女性などを襲うようになることがあります。

噛む力が強く、下手をすると大怪我をする可能性もあるので、気を付けましょう。

(ライター もんぷち)