鶴というとすらりとして細長い白い鳥、というイメージがありますが、鶴の仲間には実に様々な種類がいます。

そんな鶴の寿命はどれくらいなのでしょうか。

鶴の種類や生態について

ツル科ツル属にはたくさんのツルがいます。

多くは北東アジア地方に生息していますが、北アメリカやアフリカに生息するツルもいます。

特にアフリカ南部に生息しているらしい、ホオカザリズルは全長おおよそ150cmにもなる大型種です。

しかも標高4000mにもなる地域に暮らしています。

 

最小のツルはアネハズルで約90cmほど。

アネハズルは体色がグレーで目は赤系です。

 

チベット高原で繁殖し、ヒマラヤ山脈を越えてインドなどで越冬するそうです。

小型ながらかなりタフですね。

 

ツルの食性は雑食で、草、果実、穀類、小型の昆虫類、ドジョウなども食べるようです。

繁殖は主に夏季に行われ、孵化してから巣立ちが早いのが特徴です。

一生をつがいで暮らすとみられています。

 

ツルはもともと渡りを行う鳥のようですが、北海道地方の釧路湿原のタンチョウヅルの様に定住するケースも見られます。

ただ、タンチョウヅルは北海道地区とユーラシア大陸に生息するグループに分かれています。

北海道では留鳥ですが、世界的にみるとやはり渡り鳥です。

 

ツルの呼吸器官は、酸素濃度が薄くてもガス交換が可能になっています。

ツルの鳴き声もまた独特です。

 

甲高く、遠くまでよく響きます。

気管が長いらしいのですが、金管楽器のような構造をしているらしいですね。

 

ツル科の鳥の中には飛ばない鳥もいます。

オーストラリアにはオオバン、ネッタイバンという見た目はカモのような鳥がいます。

 

これらのツルは飛ばないようです。

オーストラリアには他に、オーストラリアヅルという飛ぶツルも生息しています。

 

顔が赤いのが特徴です。

クイナ科で日本に生息しているのはヤンバルクイナです。

 

大きさは約35cmほど、赤い嘴が特徴です。

北米に生息しているアメリカシロヅルは個体数が少なく、保護対象になっていますが、ここ数年で約500羽にまで復活したそうです。

 

日本国内で見られるツルはアジアで越冬するナベヅル、マナヅル、ほぼ定住しているタンチョウヅルなどです。

このようにツルは生態、特徴、暮らし方などが幅広く、臨機応変に変化する事がある鳥の様です。

鶴の寿命

野生下では30年くらいだそうです。

飼育下では長生きする場合もあります。

 

2014年には上野動物園で飼育されていたマナヅルが亡くなりました。

1965年生まれだそうなので48歳ですね。

タズ

ツルは昔から日本人にとって身近な鳥だったようです。

古くは「たづ」と呼ばれ、海辺などにいる鳥であったようです。

万葉集にはたづを詠んだ歌が多くみられますが、散文には出てこないという特徴があります。

鶴の恩返し

ツルに関する民話も国内にはたくさんあります。

中でもメジャーなのは「鶴の恩返し」かも知れません。

 

助けたツルが人間に姿を変え美しい機を織り、老夫婦を助けるが、正体を知られると娘は去ってしまう、といった話です。

地域によって差がありますね。

 

日本の昔話には「見てはならない」という意味合いのものがよくありますが、「鶴の恩返し」というと古事記に出てくる黄泉の国の話を思い出します。

ギリシア神話にも似たような話がありますね。ツルは何かの使いのように考えられていたのでしょうか?

鶴さん

鶴さん、という苗字の方もたまにいらっしゃいますよね。由来は清和源氏の流れからくるお名前だとか。由緒正しいのですね。

鶴について

ツルというと皆、白っぽくてすらりとしたものと思っていましたが、ずいぶん種類が多い仲間なんですね。

野生のツルを見たことは一度ありますが、濃霧だった上、距離はかなりありました。

 

それでも動物園ではない場所にいるツルを見たのは初めてだったので、よく覚えています。

また機会があれば、鳴き声を聞いてみたい気がします。

(ライター:おもち)