世界には150万種類以上のキノコが存在していますが、イカの足ような形をしたキノコ「イカタケ」をご存知ですか?

イカの足がうにゃうにゃーっと土から生えているように見えます。

幻のキノコとも呼ばれているので、イカタケを見たことのある人はとっても貴重です!

エイリアンのような「イカタケ」についてご紹介していきたいと思います。

イカタケとは

「イカタケ」は担子菌門ハラタケ亜門のハラタケ綱スッポンタケ亜綱のスッポンタケ目スッポンタケ科のアカイカタケ属のキノコです。

逆立ちしたイカのように見えることから「イカタケ(烏賊茸)」と名付けられました。

イカタケは熱帯や亜熱帯地域に主に生息しています。

 

世界では東南アジアを中心に中国、ハワイ島、西アフリカのシェラレオネ、オーストラリアや南アメリカなどで発見されています。

日本国内では宮城県以南の本州、四国や九州・沖縄県などで発見されています。

イカタケの生態

イカタケは梅雨の時期から初冬にかけて見ることができます。

おがくずや木くず、稲のもみ殻、芝生の上に発生します。

特におがくずの多い場所によく発生しているようです。

 

イカタケは白っぽい色をしていて、成熟すると5~10センチの高さになります。

イカタケの特徴はなんと言ってもイカの足のような脚です。

 

イカが土の中に逆さまに埋められているような形をしています。

土から足がうにゃうにゃ飛び出しているような感じです。

白いイソギンチャクにも見えるかな。

 

イカの足のような脚は3~5センチ程の長さで、個体によってばらつきがありますが、だいたい6~16本あります。

イカの足のような脚の真ん中には黒くてドロっとしていてネバネバしている「グレバ」と呼ばれる液体があります。

まるでイカ墨のような感じです。

 

このグレバのところに胞子ができるのですが、グレバはとーってもくさいニオイがします。

例えるならば、魚介類の腐ったようなにおいです。

イカだけに。

 

このめちゃくちゃくさいニオイにも意味があって、このくさいニオイにハエなどの虫が寄ってきて、胞子を体にくっ付けて運んでもらいます。

子どものイカタケは1~4センチの球状の形をしています。

 

イカタケの脚がイカの足のように開いているのは、大人のイカタケで、成熟しているのです。

イカタケの脚が開くのは明け方から早朝に始まり、午前中に開き終わります。

2011年に探偵!ナイトスクープで幻のイカタケが見たいと依頼した方が居られて、イカタケが成熟するまでの成長過程の撮影に成功したそうですよ。

イカタケは食べられるの?

イカタケはとにかく臭いので、食用にはむかないキノコです。

イカタケの属名も「吐き気をもよおす・嫌」というような意味から付けられているので、かなりくさい悪臭なのだと思われます。

 

毒はないようですが、とにかく臭くて、全然美味しくありません。

インターネットなどで調べてみると、食べてみた方もいるようですが、おすすめはしません。

幻のキノコ「イカタケ」

イカタケはとても貴重なキノコとされています。

三重県や京都府、愛媛県では絶滅の恐れがあるとして、レッドデータブックに載っています。

 

エイリアンのような、イカのような、この変なキノコを実際に見ることのできた人はとてもラッキーです!

購入したおがくずや木材のチップなどに菌株が紛れ込んでいて、知らぬうちに発生することもあるのだそうです。

私も是非一度幻のイカタケを見て見たいです。

 

そしてどれほどの悪臭・・・ニオイなのか・・・気になります。

臭いニオイにさえ我慢することができれば、自宅で培養することもできるそうですよ。

キノコに興味がある方は是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

(ライター 雲呑)