ヒカリキノコバエは洞窟を神秘的にライトアップする生物。

一説には「天空の城 ラピュタ」の飛行石のモデルになってるのでは!?とも言われている生物です。

ヒカリキノコバエの生態

ヒカリキノコバエはキノコバエ科ヒカリキノコバエ属に分類される昆虫の総称です。

幼虫は青白い光を発するため、土ボタルと言われることもあります。

 

オーストラリア東海岸やニュージーランドに生息していて、洞窟観光資源の一つにもなっています。

幼虫は洞穴などの天井に生息していて、粘液を出し、その粘液は天井から垂れさがります。

粘液の長さは20~30㎜、長いものでは30~40㎝にもなります。

 

ルシフェリンという成分によって青白く光る粘液にはその光に誘われて多くの虫たちが引き寄せられてきます。

一旦粘液についた昆虫たちは身動きが取れなくなり、絡めとられ、捕食されます。

幼虫の期間は6~12か月で、成虫は口を持たないので、交尾をし、産卵した後には死んでいきます。

ヒカリキノコバエによる幻想的な風景

ヒカリキノコバエの幼虫の光は洞窟の中で、実に幻想的な風景を作り出します。

それは天井からひも状のライトが沢山つりさげられているような、天井にホタルガ沢山飛んでいるような、とても天然のものとは思えないような風景が広がるのです。

 

ニュージーランドのワイトモ洞窟はオークランドから車で2時間半ほどの距離にある鍾乳洞です。

グロワームケープとも言われるこの鍾乳洞は長い年月をかけて染み出してきた石灰を含む水分が作り出す幻想的なオブジェが沢山見られる洞窟です。そして、ここはヒカリキノコバエによる天然の光が見られる鍾乳洞でもあります。

 

ガイド付きツアーなどが開催されていて、洞窟内の川に浮かべたボートに乗ってまるで星空のような天井のヒカリキノコバエによる無数の光を楽しむことも出来ます。

タイミングが良ければ、音響効果抜群の洞窟内で、ガイドのマオリ族の歌を聞けるかもしれません。

ヒカリキノコバエの仲間

日本の八丈島にはツノキノコバエ属のニッポンヒラタキノコバエの幼虫が同じように光を発する虫として有名です。

この昆虫、幼虫の時の方が成虫よりも大きく、太陽は20㎜。成虫になると10㎜程になってしまうという生物。

全体的に光を放ちますが、特に頭部と尾部が力強い光を放ちます。

多摩動物園にいるヒカリキノコバエ

日本では多摩動物園の昆虫館でヒカリキノコバエを見ることが出来ます。

幼虫の頃のエサはショウジョウバエだそうで、一匹一匹をケースに入れて、エサを与えているのだとか。

 

エサが足りなかったり、病気になったりすると光を放つことをしなくなるので、より明るい光を放たせるためには、しっかりとした栄養が必要になってくるのだそうです。

洞窟の中は気温16度、湿度83%に保たれていて、これがヒカリキノコバエにとって最適な環境。

カビなどが生えようものなら、一気にヒカリキノコバエは死んでしまうのだそうです。

ヒカリキノコバエのまとめ

ヒカリキノコバエはオーストラリア東海岸、ニュージーランドに生息しているキノコバエ科キノコバエ属に分類される昆虫の総称。

幼虫は青白い光を発するため、土ボタルとも言われている。

 

幼虫は洞穴の天井に生息していて、粘液をたらすことによって獲物をからめとり、捕食する。

幼虫の期間は半年から1年ほどで、成虫になると口がないのでエサを食べず、交尾をし、出産して死んでいく。

 

ニュージーランドのワイトモ洞窟はグローワームケープとも言われ、ヒカリキノコバエの放つ幻想的な光を見られる洞窟として有名。

日本では多摩動物園の昆虫園本館で見ることができる。

飼育の最適環境は気温16度、湿度38%。

(ライター ナオ)