タコの一生は短いって知っていましたか?

寿命は平均で1~2年。

長いものでも3~5年ほどだそうです。

 

その理由は、「交尾をしたら死んでしまうから」という話を聞いたことがありますが、果たして本当なのでしょうか。

そこで今回は、どうして交尾をしたら死んでしまうのか、メスの場合はどうなるのか、といった疑問についてまとめてみました。

タコの生態…なぜ交尾をしたら死ぬのか?

タコは柔軟な体を持ち、頭から直接足が生えている「頭足類」の仲間です。

足は8本あるのが一般的ですが、それ以上の本数を持っている個体もいます。

その理由は、足が切れて再生する際、まれに切り口から2本の足が再生することがあるため。

三重県にある志摩マリンランドでは、なんと96本もの足を持った個体の標本が展示されています。

ぜひ一度は見に行ってみてください。

 

8本ある足のうち1本は交接腕と呼ばれるもので、先端が生殖器になっています。

オスはこの交接腕をメスの体に挿入、腕の中にある「精莢(せいきょう)」と呼ばれる精子の入ったカプセルを受け渡し、交尾は完了。

 

オスはこの時点で死んでしまうものが多いそうです…。

しかし、メスはもう少しの間生きています。

 

子供の出産・誕生を控えていますからね。

メスは交尾が終わると巣にこもり、たくさんの卵を産み付けます。

 

そして卵が孵るまではそばで新鮮な海水を送り快適な環境を整え、外敵からも守り続けるのです。

一か月ほどすると卵は孵化し、それと同時にメスは生涯に幕を下ろします…。

 

この時のメスの体重は、出産前の3分の1にまで減ってしまっているんだとか。

メスの場合は、種類によっては数カ月もの間飲まず食わずで卵を見守るため、卵が孵るころには力を使い果たして死んでしまうのでしょう。

 

しかし、オスの場合はなぜ死んでしまうのでしょうか?

それについての詳しい情報を得ることはできませんでしたが、タコの仲間の中には交尾の際に交接腕を切り落とす(切り落とされる)ものもいるそうです。

切れた際のショック、あるいは生物として「子孫を残す」という役割が完了して生きる意味がなくなったから死んでしまう…ということなのでしょうか。

タコの卵ってどんなの?食べられる?

タコはほとんどの場合一生に一度しか繁殖をしないので、一度に産む卵の数はかなり多いです。

その数なんと数万~数十万個。

 

たいていの場合一度に一人しか産めない人間からしたら、信じられない数ですよね…。

ただし、そこは過酷な海の中。

 

それだけ数があっても、無事に孵って大人にまで成長できるタコはごくわずかです。

人間だって、「タコの卵」を珍味として食べちゃったりしますもんね…。

 

タコの卵は楕円形で、数百個ずつが房状になったものをいくつも産み付けます。

色は黄白色で、その姿は藤の花に似ていることから「海藤花(かいとうげ)」とも呼ばれているそうです。

 

もしタコの卵を食べる場合は、貴重な一生に一度の繁殖の機会を奪ってしまったわけですから、より命に感謝して頂かなければなりませんね。

私はまだ一度も食べたことがないですが、味は濃厚でイクラなどの魚卵が好きな人ならまず好きになる味だそうです。

 

タコ自体は年間を通して流通していますが、卵はかなりのレアもの。

見かけたら迷わずに食べてみなくては…。

タコについてのまとめ

一生に一度の繁殖に命を懸けているタコを見ていると、なんだか私もしっかり人生を生きないといけないなという気持ちにさせられますね。

タコの寿命が短いのは繁殖すると死んでしまうから、というのはわかりましたが、では一度も繁殖していない個体はどのくらい生きるのか?というのも気になります。

かなり長生きしたりするんでしょうか。

(ライター もんぷち)