いろんな料理に使えてとても美味しいキノコ類。

しかし、気を付けなければならないのが毒キノコですね。

 

毒キノコの中には命の危険があるものもあるので、注意しなければなりません。

そこで今回紹介するのは「ニセクロハツ」というキノコ。

一見シイタケにも似ていて食べたら美味しそうなキノコですが、果たして毒はあるのでしょうか。

ニセクロハツってどんなキノコ?

ニセクロハツは東アジアに分布しているキノコで、日本では富山県から愛知県以西に分布しています。

夏から秋にかけて、シイやカシの林において、地上に発生。

 

色は灰褐色で質感はスエード状、傘の裏にあるヒダはクリーム色です。

一見すると、普通に美味しそうな食べられるキノコのように見えますよね。

 

しかし、ニセクロハツには猛毒があるので決して食べてはいけません。

名前の由来は「クロハツ」というキノコに似ているので「ニセクロハツ」。

 

クロハツも毒キノコではあるのですが、加熱をすれば食べられないこともないので危険度は低め。

(ただし、クロハツも生で食べると命の危険があります。できるなら食べないほうがいいです。)

 

そのクロハツと間違えてニセクロハツを食べてしまうと、大変なことになります。

ニセクロハツの毒性はかなり強力なもので、致死量はわずか2~3本。

 

毒の成分はルスフェリン、ルスフェロール類、カナバニン、2-シクロプロペンカルボン酸など。

食べてから数分から24時間以内に嘔吐、下痢などの症状があらわれ、その後は呼吸困難、言語障害、筋肉の痛みなどを引き起こします。

最悪の場合は多臓器不全、腎不全などを引き起こし、死に至ることも。

 

国内では今までに数名がニセクロハツの中毒で死亡しており、中国などではキノコによる中毒患者の4分の1を占めているんだそうです。

クロハツとニセクロハツの見分け方は、「傷んだ場所が黒くなるかならないか」です。

 

クロハツは傷んだ場所が黒くなっていくのに対し、ニセクロハツは赤くなります。

まあどちらにせよ両方とも毒キノコではあるので、食べないようにしましょう。

クロハツモドキというキノコもある

ニセクロハツと似たようなネーミングのキノコで、「クロハツモドキ」というものがあります。

こちらもクロハツに似ていることからこのような名前が付けられました。

そしてクロハツモドキも例にもれず毒キノコ。

 

ニセクロハツほど毒性は強くありませんが、生で食べると嘔吐や下痢などを引き起こすそうで、例え加熱したとしても食べないほうがいいキノコです。

結論としては、「クロハツに似ているキノコはクロハツを含め、食べないほうがいい」ということですね。

確実にキノコの種類が分からない場合は、食べるのをやめましょう。

 

また、万が一にもクロハツやクロハツモドキを食べてしまった時のために、採集したキノコは十分に加熱してから食べるようにしてください。

もう一つ気を付けなければならないのは、「キノコに関する情報は最新のものを仕入れておく」ということです。

 

クロハツも以前は加熱すれば問題ないとされていたので、図鑑などにも毒キノコという分類では記されていませんでした。

このように危険性があることが近年になってわかるケースもあるので、古い情報を参考にするのはやめましょう。

ニセクロハツについてのまとめ

毒キノコと言えば、なんだかカラフルな色や変わった形をしているものというイメージが強いですが、地味で美味しそうなキノコの中にも猛毒を含んでいるものはあります。

「キノコ博士」と言えるレベルに達していない人は、浅い知識でキノコを採集して食べるのはやめたほうがいいでしょう。

ニセクロハツ以外にも、致死性のある恐ろしいキノコはたくさんあるので気を付けてくださいね。

(ライター もんぷち)