バカガイは、アサリやハマグリと並んで、日本の食卓には欠かせない貝類のひとつです。

今回は、そんなバカガイの名前の由来や生態、美味しい食べ方などをみなさんにご紹介していきます。

バカガイの生態

バカガイは、マルスダレガイ目バカガイ科に属する二枚貝の仲間です。

肌色に近い灰白色が特徴的な殻は他の二枚貝と比べて薄く、破れやすいという性質があります。

 

殻長は最大8.0cmほどに成長します。

バカガイは日本列島を含む東アジアから東南アジア、オホーツク海にかけて広く分布しています。

 

ヒトデやツメタガイなどの天敵から身を守るため砂中に潜る性質があり、内湾の砂底でよく見られます。

寿命は10年前後といわれており、ハマグリと同じように水管から取り込んだ海水中のプランクトンなどの有機物を濾しとって栄養源としています。

バカガイの別名

バカガイが食材として扱われる際に「青柳」という名で呼ばれることは有名な話ですが、他にもキヌガイ、ウバガイ、トリガイ、クツワガイ、カムリガイなど地域によって様々な名称で呼ばれています。中には、アホガイや単にバカというような、なんとも投げやりなネーミングもあります。

 

ちなみに青柳という呼び名の由来は、バカガイ(馬鹿貝)という名称が食品として相応しくないとして、江戸時代の寿司職人が当時のバカガイの集積地であった「青柳」という地名を隠語として呼びかえたことが始まりだといわれています。

食材としてのバカガイ

前述したように、バカガイを食材として扱う際には「青柳」と呼ばれることが一般的です。

バカガイは酸欠に弱く、貝類の下ごしらえには欠かせない砂抜きが困難であることから、内臓を取り除いて食されます。

 

厳密にいうと「青柳」とは内蔵を取り除いた身の部分を指し、斧足の部分を「舌切り」、そして大小ひとつずつ持つ貝柱をそれぞれ「大星」「小星」と呼びます。

バカガイは年間を通して剥き身などで流通していますが、冬から初春にかけてが旬であるといわれています。

 

水揚げ地として北海道、千葉県、愛知県などが有名です。

バカガイの価格はここ数年間で上向きになっている傾向があり、築地市場における1kgあたりの平均卸売価格は、最も安い初夏でおよそ1,600円、旬の1月でおよそ2,500円前後が相場となっています。

バカガイの美味しい食べ方

バカガイ(青柳)の代表的な調理法として、握り、刺身、なめろう、天ぷら、煮つけ、味噌汁などがあります。

刺身や握りでは、バカガイのつるりとした独特の触感と風味を存分に堪能することが出来、煮つけやなめろうではバカガイの内に潜む驚くような旨みを引き出すことができます。

また、千葉県ではバカガイのなめろうを焼いた「さんが焼き」という郷土料理も有名です。

バカガイの名前の由来

バカガイという名の由来には諸説あるといわれています。

ひとつは、馬鹿みたいに一度に大量に獲れるため「馬鹿貝」になったという説。

 

その昔、「馬加」という地域でたくさん獲れたから「馬加貝」になったという説。

 

殻の隙間から斧足をはみ出させている姿が、馬鹿みたいに口から舌を出しているように見えたから「馬鹿貝」になったという説。

 

砂地の変化に敏感であるため頻繁に場所を替えるから「場替貝」になったという説。

 

貝殻が薄く破れやすいことから「破家貝」となったという説など、様々な仮説が林立しています。

いずれにしても、バカガイというのはちょっと可哀相なネーミングのような気がします。

 

個人的には、馬鹿みたいに美味しいから「馬鹿貝」という説があっても良いのではないかと思って調べてみたのですが、残念ながらそのような話は見当たりませんでした……。

とはいえ、バカガイが「馬鹿みたいに美味しい」ことには変わりありませんので、みなさんも機会があった際にはぜひ召し上がってみては如何でしょうか。

(ライター 國谷正明)