黒い色をした鯛といえば「黒鯛」です。

黒鯛はヒレに棘があるのが特徴で、真鯛の親戚です。

 

別名「チヌ」とも呼ばれていて、成長するにつれて呼び名が変わります。

釣りや漁も盛んに行われていて、とっても美味しいお魚です。

黒鯛の特徴

一般的に漁獲されて目にする黒鯛は30センチ程ですが、黒鯛の全長は70センチを超えます。

3歳の黒鯛で体長が25センチ程です。

黒鯛は名前の通り、体は黒色でお腹は白色です。

体の形はオーソドックスな鯛の体型で、ギューっと押しつぶされたような平べったい楕円形の形をしています。

口は真鯛よりも前に出ています。

 

黒鯛は背びれに尖った棘があり、黒鯛の学名である「Acanthopagrus」は”棘のある鯛”という意味です。

黒鯛は出世魚と言われていて、成長段階で呼び名が変わります。

体長約10センチ・・・「チン」「イッサイ」「メイタ」

体長約20センチ・・・「ニサイ」「チンチン」

体長約30センチ・・・「カイズ」「ケイズ」

体長30センチ以上・・・「クロダイ」「オオスケ」

黒鯛の生態

日本では北海道から本州、四国、九州までに生息しています。

海外では朝鮮半島や台湾、ベトナムなどにも生息しています。

 

主に沿岸や河川などで見られますが、岩場や砂のあるところでも、水が汚いところでも生活する事ができる適応力の高い魚です。

川に登ってくることもあるので、地域によっては「川鯛(カワダイ)」と呼ぶのだそうです。

 

主食は海藻や海老や蟹などですが、トウモロコシやスイカなどの果物も食べます。

黒鯛は子孫を残すため、成長によってオスはメスに性転換することのできる魚です。

黒鯛の漁と養殖

浅い場所に近づいてくる大きな黒鯛は釣り人に大人気の魚です。

磯や防波堤、海釣りが行われています。

ルアーフィッシングも◎

 

一度黒鯛を釣る事ができたら、病みつきになってしまうほど楽しめるそうですよ。

漁では刺し網や定置網で漁獲され、広島湾での漁獲量は国内の2割を占めています。

石川、福井、三重、高知、長崎県などで人工種苗を使った養殖が行われているますが、生産量はあまり多くありません。

黒鯛の旬の時期

夏頃の黒鯛は真鯛のような美味しさだと言われていますが、実はもっと美味しいおすすめの時期があるんです。

それは、冬に近づいて寒くなってくる11月下旬から3月の初旬までの春先が黒鯛が一番美味しい旬の時期です。

しかも産卵前の黒鯛が特に美味しいんですよ。

 

さらに、体の色はシルバーの色が目立つぐらいの黒鯛がGOOD

体の大きさは20~45センチまでがおすすめです。

体の色がどす黒く、45センチ以上の大型の黒鯛はやや味が落ちます。

黒鯛の美味しい食べ方

黒鯛には棘があるので、捌く際は怪我をしないように注意してください。

黒鯛の身は白身で、歯ごたえがあってとっても美味しいんですよ。

一番のおすすめはやはり「お刺身」です。

 

黒鯛の美味しさを十分に味わえて、感じることができます。

塩焼きや煮付けなどの定番和風料理にはもちろん合い、とっても美味しいです。

 

お味噌汁に入れても最高ですし、黒鯛をそのまま炊飯器に入れて、炊き込みご飯にするのもおすすめですよ。

洋風料理では、野菜と一緒にマリネにしたり、フライパンでバターと一緒にソテーしても美味しく頂けます。

黒鯛のムニエルなんてとってもおしゃれで、しかも美味なんです。

 

寒い冬が最も美味しい黒鯛の旬の時期になるので、体が温まる黒鯛のお鍋もいいですね。

親しい仲間とお鍋をつつきながら、仲良くワイワイ楽しめます。

 

現在、黒鯛の骨の化石などが縄文遺跡からたくさん発見されています。

とても古い昔から美味として知られ、食べられていたのかもしれませんね。

私も黒鯛のお刺身が食べたくなりました♪

(ライター 雲呑)