オンデンザメというサメを聞いたことがあるだろうか。

駿河湾などでも度々目撃されているオンデンザメについてご紹介します。

オンデンザメの生態

オンデンザメは北大西洋の日本、バハ、カリフォルニアからベーリング海にかけての深海0~200m付近に生息しているサメです。

体長はオスの方が若干大き目、4~6mほど。

 

2015年にそれまで生息していないと考えられていた北太平洋のパプアニューギニア付近で7m近くにもなるオンデンザメが深海でのカメラに映り、話題を呼びました。

オンデンザメは表層から大陸棚付近の海底に生息している魚やイカ、タコ、甲殻類、海産哺乳類を捕食し、深海生態系では頂点に立つと考えられているので、天敵は人間だけということになります。

 

胎生などについての詳しいことはあまりわかっていませんが、筋肉の構造などから泳ぐのがとても遅く、生息域も深海ということから、人に対しての攻撃性はほとんどないと言われています。

 

間違って網にかかってきた時も、体の重さのためかほとんど暴れることなく、大人しくしているのだそうです。

オンデンザメと人間のかかわり

オンデンザメは度々網にかかり、漁獲されることがありますが、肉はブヨブヨとしていて、あまり美味しくないので食用としては向いておらず、肝臓のみが肝油の原料として使われています。

 

深海生物なので、水族館などでの展示も難しく、2001年におたる水族館でしばらく飼育された記録と2015年に沼津港深海水族館で6日間展示された記録が残っているのみ。

なかなか、一般的にはお目にかかることが出来ないサメとも言えます。

オンデンザメの名前の由来

オンデンとは漢字で表現すると「隠田」と書きます。

「隠田」とは与えられた農地の他に秘密裏に耕作していた畑のことで、人目に付きにくい場所にある田んぼのことです。

オンデンザメのオンデンはこの「隠田」のように人目につきにくい深海に生息していることから付けられたようです。

6mを超えるサメはオンデンザメだけ!?

6m以上の大型のサメはオンデンザメだけではなく、5種類ほどいると言われています。

そのうちの有名な一種類は10mを超えるジンベイザメ。

他にはウバザメ、ホオジロザメ、イタチザメがいます。

 

また、オンデンザメに近い種類としてニシオンデンザメやミナミオンデンザメなどが挙げられ、これらのサメもオンデンザメと同じく6m近くまで成長します。

ニシオンデンザメとミナミオンデンザメは遺伝的にかなりオンデンザメに近いために、近年は同じ種なのではないかとも考えられています。

 

もしそうだとするとニシオンデンザメの寿命は平均272歳と言わていますから、日本の駿河湾で度々網にかかるオンデンザメも300年近く生き続けてきた生物ということになるわけです。

 

これが証明されると、今までの最高齢といわれていたホッキョククジラの200歳を遥かに上回る長寿ということにもなるのです。

ちなみに、サメは軟骨しか持たないため、骨での年齢推定が難しく、眼の水晶体を放射性炭素年代測定することによって割り出します。

オンデンザメのまとめ

オンデンザメは北大西洋、北大西洋からベーリング海に生息していると言われていたが、近年南太平洋でも、その姿が撮影された。

オンデンザメの名前は「隠田」からきていて、なかなか目につかないところにいるサメという意味がある。

 

オンデンザメに肉はブヨブヨしていて食用には向かないが、肝臓だけは肝油の原料として使われている。

オンデンザメは大人しく、人に危害を加えることはない。

オンデンザメの寿命はもしかしたら300歳を超えるかもしれず、そうなるとホッキョククジラを超える脊椎動物最高齢ということになる。

(ライター ナオ)