ライチョウは、日本に生息している数が非常に少なく街中で目撃することはありませんが、絶滅の危機を迎えて保護対象となることで非常に有名な鳥になりました。

環境の変化に対応できないことで個体数を減らしてきているライチョウですが、その生態や特徴について説明していきます。

ライチョウの生態

ライチョウは、保護対象となる自然物である天然記念物の中でも特に価値の高いものとされているため特別天然記念物に定められています。

天敵が多く、捕食されてしまうことや人間による環境の悪化によって減少しています。

そんなライチョウの特徴は、季節によって羽毛の色が変化することです。

夏には黒っぽい色が交っているのに対して、冬になると真っ白になります。

また通常のキジ類は足の部分には毛が生えていませんが、ライチョウは脚にも羽毛が生えています。

 

基本的に気温の低い寒冷地を好み、寒さには強いですが暑さには弱いです。

この暑さへの耐性の低さも絶滅の危機に関係しています。

 

しかし寒さには強いですが、冬はほとんど飛ぶことなく体力を温存しています。

また全長はおよそ40㎝で、体重は500gほどです。

生息域

日本ではほとんど限られた領域でしか生息していませんが、世界的には北アメリカからヨーロッパ、アジアにも広く生息しており、イギリスでは1万羽以上生息していると見られています。

いずれも気温の低い高山帯に分布しており、非常に気温が下がるような場所においても基本的に居住地を変えないことが知られています。

 

このように季節に関わらず一年中だいたい同じ地域で生きる鳥を留鳥と呼びます。

日本においては本州の中部、富山県や長野県、岐阜県周辺の高山に生息しています。

そしてこれら3県では、保護思想の普及に役立たせるため、県のシンボルとなる県鳥にライチョウが指定されています。

ライチョウの食性

ライチョウは鳥の中でも珍しく、葉類を多く食べる種類です。

花や葉、茎、果実など植物を頻繁に食べます。

主にツツジ科やバラ科、キク科などです。もちろん昆虫なども捕食対象で、バッタやアリ、クモなどの虫も食べます。

害はないが害を与えている

ライチョウ自体が人間に害を与えることはなく、そもそもお互いの生活圏が全く異なるため干渉することはいままで少なかったです。

その昔には、ライチョウが高山の奥に住むことから神の鳥として扱い崇めていましたが、近年では産業の発展によって環境問題が多く発生することでライチョウにも悪影響が出てきました。

 

暑さに弱いライチョウは温暖化による気温上昇をシビアに感じ取り、それによって死んでしまうこともあります。

また、登山ブームによって登山者によるゴミから病原菌をもらってしまって感染症になってしまうといった事例も出てきています。

このため人間側が一方的に害を与えてしまっている状況となってしまいました。

どこの動物園にいる?

ライチョウの中でもスバールバルライチョウですが、上野動物園に飼育されているライチョウが有名で観光客も多いです。

また長野県にある茶臼山動物園や、富山県の富山市ファミリーパークでもライチョウが飼育・公開されています。

絶滅が危惧されているライチョウですので、興味があれば是非行ってみると良いかと思います。

ライチョウは年々悪化する環境と戦っている

ライチョウは昔から植物でさえ育つのが難しい極寒の中で生きてきて、ただでさえ過酷な環境に身を置いている状況ですが、人間の行いによる環境悪化によってさらに環境が厳しくなってしまいました。

温暖化は地球規模であり阻止するのは容易ではなく即座に改善することは不可能に近いです。

しかしゴミの排出など身近な問題によるものもあります。

ライチョウを守るにはまずこのような行動から見直す必要がありそうです。

ライター yuki_1