動物園には必ずと言っていいほどいるライオン。

百獣の王として人気のある動物です。

このライオンに実はいろんな種類がいることをご存知でしょうか?

ライオンの生態

ライオンはサハラ砂漠以南のアフリカ、インド西部に生息しています。ネコ科の動物の中ではトラに次いで2番目に体の大きな動物です。

アフリカ大陸に生息しているライオンをアフリカライオンといい、インド西部に生息しているライオンをアジアライオンと言います。

アフリカライオンはアフリカ大陸西部・中部と南部・東部で遺伝的系統が違うと言われていますが、研究があまり進んでおらず、はっきりとしたことはわかっていないのが現状です。

体長は、オスが170~250㎝、150~250kg、メスが160~180㎝、120~180kgほどです。

 

オス1~3頭、メス10~12頭ほどの群れで行動していて、なわばりの広さは20~400㎢にもなります。

鳴き声や尿でなわばりを主張し、なわばりの範囲はエサのあるなしによってその広さが変わってくるようです。

 

オスは基本的には縄張り内のメスを守る役割を持ち、狩りはメスが集団で行います。

あまり狩りが上手ではないので、夜に行うことが多いのですが、背丈の高い草が生えている場所で身を隠せるようなときは昼に行うこともあります。

 

扇型に相手を取り囲むように、じわりじわりと極限まで近づいてとびかかる、という狩り方法です。

メスの妊娠期間は4か月ほどで、授乳期間は7~10か月。

 

集団とは少し離れた巣穴で1~4頭の子供を産みます。メスは子育ての時、同時に生まれた集団内の自分の子供以外の子供にも乳を与えます。

3~4か月経つころメスは再び子供を連れて集団の中に戻ります。

 

2~3年で成長したオスは群れを出て新しい群れを形成しますが、新しい群れをつくるまでの期間は同じ群れにいたオス同士でいることが多いようです。

こんな時はオスも狩りをしなければならないようです。

ライオンの種類

ライオンは現在、7種類いると考えられています。

それぞれについて紹介していきます。

アジアライオン

インドの北西部の保護区に500頭ほどいるライオン。

アフリカに生息するライオンと比べると体長は小さめで、140~190㎝、120~200kgほど。

 

体毛は密集しているが短く、体色も薄い。

アフリカのライオンと違い、単独で狩りをします。基本、動物食ですが、草を食べることもあります。

個体数が少なく、遺伝的に近いせいか繁殖能力が低く、500回の交尾が1回の出産にしかつながらないのだとか。1回の出産で2~3頭を産みます。

バーバリーライオン

野生種は既に絶滅したと考えられているライオン。

アトラスライオンとも言われ、アトラス山脈一帯に生息していました。

 

ライオンの中では最も体が大きく、各地の動物園で飼育されているものはこのバーバリーライオンではないかと言われています。

体長はオスで2.2~2.8m。

セネガルライオン

西アフリカライオンとも言われ、セネガルから中央アフリカにかけて生息しています。

タテガミが発達せず、体長も南アフリカのライオンに比べ小型です。

コンゴライオン

アフリカ北東部のコンゴ地方に生息しているライオン。

アンゴラライオン

アンゴラ、コンゴ、ジンバブエ、ザンビアに生息しているライオン。

タテガミがあまり発達せず、体毛は灰褐色で毛先が黒くなっている。

トランスバールライオン

南アフリカ共和国北東部に生息しているライオン。

体長はオスで2.6~3.2m、150~250kgほど。タテガミは発達しているが肩にかかるほどではない。

マサイライオン

東アフリカライオンともいわれ、エチオピア、ケニア、タンザニア、モザンビークなどに生息。

肢が長く、暗色斑が入る個体が多い。体長はオスで2.5~3.0m、150~200kgほど。

ライオンの種類についてのまとめ

ライオンは大きくアフリカ系とアジア系に分けられる。

アジア系のライオンはアフリカ系のライオンに比べてやや小型。

 

アフリカ系のライオンは群れをつくるのに対し、アジア系のライオンは単独行動する。

野生下では絶滅している種類もある。

(ライター ナオ)