高級食材として知られるロブスター。

海外旅行なので、食べたことのある人も多いのではないでしょうか?

ロブスターの特徴と生態

ロブスターは一般的にエビ目ザリガニ下目、アカザエビ科ロブスター属の甲殻類に分類される2種類のことを言います。

エビ類としては最大級の大きさで、西洋料理では高級食材として扱われます。

2種類とは大西洋のノルウェーから地中海近辺に生息するヨーロピアンロブスターとカナダからカリブ海までの大西洋西岸に生息するアメリカンロブスターです。共に冷水種。

アフリカ南岸にもケープロブスターと言われる種類が生息していますが、味が劣るため、市場には出回っていないようです。

 

巨大な鋏脚は持っており、これがハンマーのように見えることからフランス語やドイツ語の名前にはHomardやHummerの名前がついています。

しかし、この鋏は敵の威嚇に使われるだけで、実際に生活孔を掘ったり、エサを採ったりするのは口元の小さい顎脚によって行われています。

2対の触角があり、第二触覚は体長よりも長くなります。

 

体色は暗赤色、灰色や薄黄色、全身が美しい青紫色をしているものもあり、生息する岩場の環境によるのだそうです。

浅い海の岩礁、砂礫底に穴を掘って単独生活しています。

 

目はほとんど見えず、鋭い嗅覚と味覚を持っていて、魚や貝類の他、藻類などの植物や時はロブスターを共食いすることもあります。

メスのロブスターは1年もの間卵をお腹に抱卵し、孵化後に、海に放します。

ロブスターの寿命

ロブスターの野生下での寿命は平均50年くらいと言われています。

死ぬまで成長を続けるため、体長である程度の年齢を測定することが出来、カナ

ダノバスコシア州沿岸で見つかったアメリカンロブスターは20kで120㎝ほど、推定年齢は100歳だったと言われています。

ロブスターの漁獲

高級食材のロブスターは世界中で年間20万トンほどの水揚げと言われています。

水揚げされたロブスターは仲間同士で共食いすることもあるので、大きな鋏をゴムバンドで固定され、互いを傷つけないような処置をします。

 

ヨーロピアンロブスターは乱獲が止まらず、激減しているのだそうです。

17~18世紀ころには獲れすぎて、肥料になったり、使用人に一日2回以上ロブスターを食べさせてはいけないという法律が出来たりしたロブスターですが、交通網の発達で世界中に出回るようになり、現在では高級食材として取引されていて、日本にも20世紀後半位から輸入されるようになりました。

ロブスター料理

ロブスターはイセエビより弾力があり、どちらかというと食感や食味はタラバガニのようだと言われています。

西洋料理の世界ではオマールやオマールエビ、オマールロブスターなどと呼ばれます。

茹でたり、蒸したりしてレモン汁や溶かしバターをつけて食べたり、縦に半割してグリル、またはローストしたものも人気があります。

また、スープなどにも使われています。

温暖化に伴う影響

近年温暖化が騒がれる中、海水中の二酸化炭素濃度が高くなった場合、生物たちはどうなるかの研究が進められているのだそう。

オマールエビに関しては、海水中の無機炭素を甲殻の形成に使い、巨大化するという研究結果が出ているのだそう。

 

しかし、他の生物では、ある一定の二酸化炭素濃度を超えると生きていけない生物や、小さくなり弱くなってしまう生物もいるため、生態系には大きな変化があると考えられているようです。

ロブスターのまとめ

ロブスターには数種類あるが、そのうち商業用として出回っているものを一般的にロブスターという。

ヨーロッパやアメリカの冷水域に生息している。

第二触覚は体長よりも長い。

 

大きな鋏脚は敵の威嚇に使い、実際の捕食などには口元の小さい顎脚を使う。

日本では20世紀後半から日本にも輸入されている高級食材。

(ライター ナオ)