「流氷の天使」と呼ばれるクリオネ。

その可愛らしい姿はとても人気があり、水族館でもよく見かけるようになりました。

そんなクリオネ、毎日家で見られたらいいなーと思っている人もいるのではありませんか?

 

実はクリオネ、家でも飼育することができるんです!

そこで今回は、クリオネの生態や飼育方法などについてまとめてみたいと思います。

クリオネの生態

クリオネは、正式名称を「ハダカカメガイ」と言い、その名の通り実は貝(巻貝)の仲間なんですよ。

実は生まれた時には貝殻を持っており、成長するにしたがって貝がなくなります。

 

生息地は両極を囲む寒流域で、日本では北海道沿岸の海で見ることができます。

体の大部分が透明で、内臓のみ不透明。

 

胴体には翼足と呼ばれる羽のようなものがあり、これを動かすことで遊泳します。

その姿から「流氷の天使」「氷の妖精」などと呼ばれているのです。

 

しかしそんな天使のようなクリオネにも悪魔のような一面が…

実はクリオネ、あんな見た目なのに肉食なんです。

 

ぱっと見ではどこに口があるのか分からないですが、どうやって食べると思いますか?

その姿はとても衝撃的。

 

頭がパカッと割れて、中から「バッカルコーン」と呼ばれる触手のようなものが出てきます。

そのバッカルコーンで獲物を捕らえて、養分を徐々に吸収していくそうです。

捕食時の姿はまるでエイリアン。

天使の時とのギャップが激しすぎです…。

クリオネの飼育方法

ここからはクリオネの飼育方法について紹介していきます。

しかし、実はクリオネの飼育には賛否両論あります。

 

その理由も含めて紹介していくので、飼育したいと思っている人はよく考えてみてください。

どこで手に入れる?

クリオネと言えば、なんとなく貴重な生き物で入手が難しいというイメージがありますが、割と簡単に手に入ります。

北海道にお住まいの方は、自分で海に行って採集するのもいいですが、それ以外の人はわざわざ採集しに北海道に行くわけにはいきませんよね。

 

一部のペットショップや、ネットショップで購入することが可能です。

ごく稀に、スーパーの鮮魚コーナーで販売していることもあるんだとか。

価格は一匹1000円~と、思ったよりもお手頃価格。

必要なもの

1.飼育容器

飼育容器は細菌の繁殖を防ぐため、密封できるものにします。

一匹に対して最低でも100mlの海水が必要ですが、100mlというのはあくまでも最低限の量なので、それ以上の容量があるものを用意しましょう。

綺麗に洗ったペットボトルでも代用可能です。

2.海水

天然の海水が必要です。

人工海水は不可。

 

1~2週間に1度は海水を交換する必要があるので、いつでも手に入る状態でなければ、ストックしておく必要があります。

海水を交換する際は、必ず冷やした海水を使いましょう。

3.冷蔵庫

クリオネは水温0~5度という低水温で生活する生き物ですので、飼育は冷蔵庫の中で行うことになります。

水温が上がると死んでしまうので、鑑賞する際も長々と外に出しておくのはNGです。

餌は?

クリオネの餌はミジンウキマイマイという巻貝のみです。

しかしこのミジンウキマイマイ自体が謎の多い特殊な巻貝なので、まず入手することはできません。

(水族館などでも難しいそうです。)

 

元々、クリオネが餌を食べるのは生涯に1~2回、半年から1年ほど絶食しても大丈夫だと言われています。

海中のプランクトンを摂取しているという説もあるので、海水をこまめに交換してあげることで多少は栄養補給になるかもしれません。

寿命は?

寿命は1~2年程と言われていますが、はっきりとしたところは不明。

飼育下では餌をやることが非常に困難なため、果たして本当に寿命で死んだのか、餓死してしまったのか、判断がつかないのです。

きちんと餌を供給できる環境で育てると、もう少し長生きする可能性もあります。

クリオネについてのまとめ

基本的にクリオネには餌をやることができない、というのが、飼育する上でのネックになります。

半年絶食しても死なないというのは、半年食べなくても全く平気だというわけではありません。

 

常に飢餓状態のまま、半年生き続けた末に寿命かもしくは飢えによる死を迎えてしまっている可能性もあるということです。

これがクリオネの飼育に賛否両論ある理由です。

飼育するかどうかはみなさんの判断に委ねられるので、よく考えてから飼育に臨んでくださいね。

(ライター もんぷち)