動物園やテレビの中にも登場する機会の多いニホンザル。

どこか親近感を覚えるあの表情やしぐさですが、私たちがサルを身近なペットにすることってできるんでしょうか?

日本に生息するサル

日本には2種類のサルが生息しています。

本州に生息しているニホンザルと屋久島に生息するヤクシマザルで、どちらも日本の固有種です。

ニホンザルは人を除くサル目の現生種で最も北に生息するサルで、その北限は下北半島になります。

種子島や茨城ではすでに絶滅しているのだそうです。

ニホンザルの特徴と生態

ニホンザルは体長が47~60㎝。

体重は6~18kgほどで、東北と中部地方の山岳地帯を中心に大きな群れをつくって生息しています。

 

赤褐色をしていて、お腹部分は灰色。

体毛は寒冷地と温暖地で違いがあり、寒冷地のサルの毛は長くて密集、温暖地のサルの毛は短くて薄く映えています。

 

顔と尻部分は裸出しで赤いのが特徴です。

幼獣は毛が密集していて、年齢と共に薄くなっていく傾向があります。

 

オスには犬歯が生えていて、なわばり争いの時など歯をむき出しにして争うこともあるようです。

常緑広葉樹林帯や落葉広葉樹林帯に生息し、昼間に活動しますが、積雪の多い地域では吹雪時など、活動せずにじっとしている様子も見られるそうです。

 

食性は雑食で、主に果実を好んで食べるようです。その他、葉や芽、草、花や下北半島のサルは食べ物が少なくなる時期には樹皮や海藻、貝類なども食するのだとか。

北アルプスでは猿がライチョウの幼鳥を食べていたという報告もあります。

 

秋から冬にかけて交尾し、2~3か月ほどの妊娠期間を経て1頭の子ザルを出産します。

最大で1年半ほどの授乳期間があり、5~7年ほどで性成熟します。

メスの出産スパンは2~3年に一回程度です。

ニホンザルのなわばり

ニホンザルは10~100頭で一つの群れをつくり、その活動範囲は1~80㎢。

オスざるは生まれて3~8年ほど経つと群れを離れ、近くの群れに入ったり、時には遠く離れた群れに入ることもあります。

 

ヤクシマザルは群れ間に優劣があり、群れ同士が敵対することもしばしばあるようですが、白山山地のニホンザルはどちらかというと、群れ同士が避けて生活し、遭遇した際には混ざり合うような現象が見られます。

 

群れ内においても、かつてはボスざるを中心にした序列があると認識されていましたが、それは餌付け

をするという条件下でのみ見られる現象で、自然界では序列さえもないのではないかと言われ始めているようです。

日本人に身近なサル

ニホンザルは昔から「サル」として、大衆文化の中や文学など様々な文化の中に登場してきました。

それだけ、昔から馴染みのある動物として扱われているということ。

サルが中心となったお話や戯曲も多く存在しています。

ニホンザルをペットにできるのか

ニホンザルをペットとして飼いたいと思ったことがある人はいないだろうか?

何となく親近感を覚えるニホンザルとはいい友達になれそう?

 

いやいや、飼うとなるとそんなに簡単ではないようです。

地域によっては霊長類を飼ってはいけないという条例のあるところもあるので、その段階でペットの夢は断念しなければなりません。

 

しかし、それを乗り越えたとしてもニホンザルを飼うのには色々とハードルがあるようです。

まず、大き目のゲージが必要です。サルが自由に動き回れるスペースを確保する必要があります。

そのためには十分な敷地が必要になります。

 

また、常に誰かにかまっていてもらったり、見てもらっていたい動物なので、昼間一匹だけになってしまうと強いストレスがかかります。

一日、側にいて時々姿を表せる人がいることも条件の一つになります。

 

この二つをクリアするだけでも、結構大変。普通の家庭では到底飼うことが出来ません。

それに加え、近所にサルを診察できる動物病院があるか、平均寿命25年という長い年月をサルと共に過ごすことが出来るかなどとにかくハードルは高いのです。

ニホンザルに関するまとめ

ニホンザルは日本の固有種。

雑食性で特に果実を好んで食べるが、エサのない時期は海藻を食べることもある。

 

ペットとして飼育するのは難しい。

以上、ちょっと気になるニホンザルについてまとめてみました。

(ライター ナオ)