動物園でも人気者のゾウ。

彼らは一体どれくらいの寿命があるかご存知ですか?

ゾウの生態と人とのかかわり

ゾウは哺乳網ゾウ目に分類される動物。

世界に2属3種がいます。アジアゾウはインドネシア、インド、パキスタンなどのアジアに生息、アフリカゾウはウガンダ、エチオピアなどのアフリカ大陸に、マルミミゾウはアフリカ大陸の西部から中部にかけて生息しています。

アフリカゾウは3種類の中では最も気性が荒く、アフリカの一部の地域では既に絶滅が確認されているところもあります。

体長はアフリカゾウで3mほど、アジアゾウは2mほどです。

体重はアフリカゾウが4~7t、アジアゾウで3~4t。

 

長い鼻と大きな耳が特徴的で、首が短く、立ったままで口を地面につけられず、鼻を器用に使ってエサを食べたり、水浴びをしたりします。

 

ゾウの特徴でもある鼻は上唇と鼻に相当する部分が発達したもので、鼻の先端にある指のような突起を使って仁丹のような小さなものから豆腐のように柔らかいものまで器用につかむ能力を持っています。

 

臭覚も優れていて、その能力は犬の2倍とも言われていて、高く鼻を上げることで臭いをかぎ分けます。

視力は弱く、色覚はほとんどありません。

 

知能もとても優れています。

自分に害があるか無いかなど、人を見分ける力ももっているようで、調教されたゾウは人間でも驚くような行動をしたりします。

 

食性は草食で草や葉、果実など。

岩塩や泥を舐めることでミネラル分を補給しています。

野生下のゾウはほぼ一日中食事をしていると言っても過言ではないほどで、一日150kgほどの食べ物と、100lほどの水を飲んでいるのだそう。

 

その分、糞の量も多く、一日の糞は120kgにもなるのだとか。

飼育下ではその2倍にもなるそうです。

 

雌と子供は共に行動し、オスは単独かまたは違う群れを形成して行動します。

ゾウの幼獣はハイエナやトラ、ライオンなどに襲われることが多く、ゾウは群れの中央に子ゾウをおこき、囲むようにして子供を守る行動をします。

成獣のゾウが本気で走った時の速度は時速40㎞ほどなのだとか。

 

ゾウ同士は人間には聞き取れないほどの低周波で会話をしており、足にも低周波を感じ取る能力が備わっていて、それは耳までつながっているのだそう。

ゾウの持つ牙は美しく加工しやすいため、宝石や装飾品として取引され、そのため象牙目的の乱獲が進み、ゾウの数が減少するという事態が起こりました。

1989年にワシントン条約によって、象牙の国際取引が禁止されましたが、そのことによってさらに象牙の価値は上がり、密猟は後を絶たないのだとか。

ゾウの寿命

ゾウの野生下での寿命はアジアゾウで80年、アフリカゾウで70年と言われています。

成獣になるまでの危険はあれど、成獣になってからはほとんど敵がいないのと同じですから、長生きできるわけです。

メスのゾウは60歳くらいまで子供を産むことが出来るので、繁殖能力が亡くなって10~20年後に命を終えるのです。

一般的に大型の動物の方が長生きすると言われますが、ゾウもその例にもれず、哺乳類の中では相当の長生きと言えるでしょう。

 

しかし、これが飼育下となると事情は変わってきます。

小型の野生動物は飼育すると長生きする、というのが一般的なのですが、ゾウは飼育下の寿命が半分とだとされています。

 

近年、上野動物園で人気があったゾウのはなこが69歳で旅立ちましたが、日本の動物園では最高齢ということになります。

飼育下での寿命が短い理由はストレスによるものと考えられていますが、はっきりとした理由はまだわかっていません。

ゾウのまとめ

現生するゾウはマルミミゾウ、インドゾウ、アフリカゾウの2種3属。

臭覚は犬の2倍ほどあり、とても優れている。

 

低周波の声でゾウ同士が会話しているが、人間には聞こえない。

足にも低周波を感じ取る機能があり、耳までつながっている。

野生下での寿命は70~80年だが、飼育下ではその半分ほど。

(ライター ナオ)