木から木へと、体を広げて滑空しながら移動する動物。

これって「モモンガ」?「ムササビ」?

 

どちらもイメージするのはほぼ同じ姿で、どっちがどっちだか違いがわからないという人は多いのではないでしょうか。

「そもそも、同じ動物で呼び名が違うだけなんじゃないの?」なんて思ってる人もいるかもしれませんね。

そこで今回は、モモンガとムササビの違いなどについてまとめてみました。

モモンガとムササビの違い

1.生息地

まず一つ目の違いは生息地。

ムササビは日本の固有種なので、日本国内の本州から九州にかけて、平地から山地まで生息しています。

 

一方モモンガは世界各地に様々な種類が生息しており、日本でも北海道から九州までほぼ全土に分布しているのですが、山地にしか生息していません。

2.大きさ

大きさを見れば、一発でどちらなのか見分けることができます。

ムササビは体長25~50cm、モモンガは体長15~20cm。

倍以上違います。

 

滑空している時の姿は、「ムササビは空飛ぶ座布団、モモンガは空飛ぶハンカチ」とも言われているんですよ。

 

これだけ大きさが違うと、すぐに見分けがつきそうですね。

ただ、25cmのムササビと20cmのモモンガだったら難しいかも?

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3.滑空距離

どちらも独特の「皮膜」を広げて滑空しますが、この距離も大きく違います。

当然体の大きいほうが飛ぶ距離も長くなるのですが、それに加えてムササビは皮膜の範囲も広いのが特徴。

 

モモンガの皮膜は前脚と後ろ脚の間だけですが、ムササビは首から前脚にかけてと、後ろ脚から尻尾にかけても皮膜があるのです。

これにより、ムササビは勢いよく100m程度滑空するのに対し、モモンガはゆっくりと20~30m程度滑空します。

4.その他の違い

その他にも様々な違いがあるので、箇条書きにしてまとめてみました。

ムササビ

顔→「白門」と呼ばれる白い帯模様がある

しっぽ→円錐形

群れ→単独行動

鳴き声→「グルルルー」

モモンガ

顔→体に対して目の割合が大きい

しっぽ→扁平

群れ→4~5匹、多い時では10匹ほどが同じ巣穴で生活する

鳴き声→「ズイズイズイ」

 

こうしてみると、似ているようでもかなりたくさんの違いがあるのですね。

これでもうどちらが現れても、見分けることができそうです。

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害獣?名前の由来は何?

昔はモモンガとムササビは区別されておらず、一様に「ムササビ」「モミ」と呼ばれていたそうです。

「モミ」とは漢字で「毛美」と書き、読んで字のごとく、毛が美しいという意味です。

 

この「モミ」が「モモ」に変化し、そこに鳴き声である「グァ」を足して「モモングァ→モモンガ」と呼ばれるようになりました。

実は彼らは昔、妖怪ではないかと恐れられていたんです。

 

確かに、鳥でもないのに空を飛ぶ獣って、妖怪みたいですよね…。

現在でも、勝手に屋根裏に巣を作ってしまったりケーブルを噛み切ってしまったりと、害獣としての一面も持っています。

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しかし生息地の減少や乱獲などの影響で、どちらも個体数は減少しているため、保護の対象となっており勝手に駆除することはできません。

ハクビシンやアライグマなど他の害獣に比べると、多少被害は少なく済むようですが、それでも困りますよね。

もし屋根裏などに住み着いてしまった場合は、専門の駆除業者にお願いするしかないようです。

モモンガとムササビについてのまとめ

とても似ているモモンガとムササビですが、意外にもたくさんの違いがあることがわかりましたね。

見た目で見分けるポイントは「大きさ」「顔」「しっぽ」「皮膜」の4点。

 

これさえ押さえておけば、もう見間違うことはありませんね。

もし可能ならば、実際に2匹を並べて見比べてみたいです。

どこか動物園とかでそういう展示をしていないでしょうかね?

(ライター もんぷち)

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